数名が共謀の上婦女を強姦し傷害を与えた場合においては、何人が致傷の結果を生ぜしめたか明確でなくとも、共犯者は等しく共同正犯として強姦致傷罪の責任を免れない。
共犯者のいずれが強姦による致傷の結果を与えたか不明の場合における共犯者の責任
刑法60條,刑法181條
判旨
強姦の共謀に基づき実行された行為から致傷の結果が生じた場合、その傷を負わせた実行行為者が誰であるか特定できなくとも、共犯者全員が強姦致傷罪の共同正犯としての責任を負う。
問題の所在(論点)
結果的加重犯である強姦致傷罪において、加重結果(負傷)を惹起した実行行為者が特定できない場合でも、共謀した者全員に共同正犯が成立するか。
規範
結果的加重犯(本件では強姦致傷罪)においても、基本犯(強姦罪)について共謀が認められる場合には、その実行行為から生じた加重結果について、いずれの者が直接に結果を惹起したかを問わず、共犯者全員が共同正犯(刑法60条)としての責を負う。
重要事実
被告人両名は、強姦を行うことを共謀した。その実行過程において被害者に致傷の結果が生じたが、被告人両名のうち、いずれの攻撃によって負傷が生じたのかが証拠上明確ではなかった。弁護人は、実行行為者が特定されていない点などを理由に上告した。
あてはめ
本件強姦行為が被告人両名の共謀に基づくものであることは原判決の証拠により認められる。強姦致傷罪は結果的加重犯であり、基本となる強姦について共謀が認められる以上、その手段としての暴行・脅迫から致傷の結果が発生した場合には、いずれがその傷を与えたかが不明であっても、共謀者全員がその結果に対して等しく刑事責任を負うものと解される。
結論
被告人両名は、いずれが傷を負わせたか明確でなくとも、強姦致傷罪の共同正犯としてその責を負う。上告棄却。
実務上の射程
結果的加重犯の共同正犯の成立範囲に関する基本判例である。強盗致死傷罪や傷害致死罪など、他の結果的加重犯にも同様の理屈が適用されるため、実務上、実行行為の特定が困難な共犯事件において、共謀と結果との因果関係を論証する際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和24(れ)1505 / 裁判年月日: 昭和27年12月25日 / 結論: 破棄自判
一 しかし旧労働組合法第一条第二項の規定は同条第一項の目的違反のためにした正当な行為についてのみ刑法第三五条の適用を認めたに過ぎず勤労者の団体交渉においても刑法所定の暴行罪又は脅迫罪にあたる行為が行われた場合にまでその適用があることを定めたものでないことは当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三一九号、同二四年五月一八日大…
事件番号: 昭和24(れ)1751 / 裁判年月日: 昭和25年11月9日 / 結論: その他
一 原判決が所論の犯罪事実を認定し、これに対し所論の刑法の法条の外少年法をも適用し結局新少年法第五一条に徒い被告人両名を各拾年以上拾五年以下の懲役に処したことは所論のとおりである。そして新少年法第五一条の法文と同第五二条の法文とを対照し、同第五八条第五九条の法文をも参酌すれば、同第五一条は、拾年以上拾五年以下の刑の範囲…