一 刑訴應急措置法第一二條第一項が違憲の法律でないことは、當裁判所大法廷の判例とするところである(昭和二三年(れ)第二九四號同年七月二九日判決)。 二 賍物故買者は問題の物品が賍物たる性質を有する間に賍物を知りつゝこれを買うことに依つて成立するのであつて、賣主が盜取者から直接に買つたということは要件でないのであるから、論旨のいうごとくAが盜取者でなくて故買者に過ぎないとしても被告人について故買罪が成立することを妨げない。 三 原判決には量刑不當であるが、新刑事訴訟法施行第二條があるため新刑訴法第四一一條によつてそれを上告理由にすることができないのは、憲法第一四條平等待遇の保障に反するというのである。しかし刑事訴訟法施行第二條の規定が憲法違反でないことについては、既に當裁判所大法廷の判例があるのであつて(昭和二三年(れ)第一五七七號同年五月一八日判決)論旨は理由がない。 四 刑法第二五六條第二項(賍物故買罪)の罰金は昭和二四年二月一日施行の罰金等臨時措置法第三條によつて五萬圓以下ということになつたのであるが、刑法第六条によつてなお從前の規定に從い罰金千圓以下を以て處罰せらるべきものである。そこで昭和二四年二月一二日言渡の原判決は前記兩法條を適用法條中に列舉しなければならないのに、それが書かれていない。しかし原判決の科刑から見て、原審は從前の規定に從つて適法に量刑したものと見られ得る。
一 刑訴應急措置法第一二條第一項の合憲性 二 賍物の故買者から賍物を買受けた者と賍物故買罪の成立 三 刑事訴訟法施工第二條の合憲性 四 賍物故買罪の罰金につき罰金等臨時措置法第三條及刑法第六條を明示しない判決の適否
日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に関する法律12條1項,憲法37條2項,憲法14條,刑法256條2項,刑法6條,新刑訴法411條,刑事訴訟法施行法2條,昭和24年2月罰金等臨時措置法3條(昭和23年法律251号)
判旨
贓物故買罪(現・盗品等有償譲受け罪)は、物品が贓物性を有する間に、贓物であることを知りつつ買い受けることで成立し、売主が盗取者自身であることを要しない。
問題の所在(論点)
贓物故買罪(刑法256条2項)の成立において、売主が当該物品の「盗取者」であることを要するか。すなわち、故買者からさらに買い受ける「転売」の事案においても同罪が成立するか。
規範
贓物故買罪は、対象となる物品が贓物としての性質を保持している間に、その情を知りながら買い受けることによって成立する。したがって、売主が直接の窃盗犯人等(盗取者)であることは本罪の成立要件ではなく、他の贓物犯人から買い受けた場合であっても、贓物性が失われていない限り本罪が成立する。
重要事実
被告人は、Aから自動車を買い受けた。Aは当該自動車を自ら盗んだ者ではなく、別の盗取者から買い受けた贓物故買者であった。被告人は、Aからの買受け行為は、Aの故買行為とは全く別個の独立した売買行為であり、売主が盗取者ではない以上、自らに贓物故買罪は成立しないと主張して上告した。
あてはめ
本件において、問題となった自動車は、Aが買い受けた時点、および被告人がAから買い受けた時点のいずれにおいても、依然として盗難にかかる「贓物」としての性質を失っていない。被告人が、当該自動車が贓物であることを認識しながら買い受けた以上、売主であるAが盗取者ではなく単なる故買者であったとしても、贓物の取引を媒介して追求権を困難にする本罪の性質に照らせば、同罪の成立を妨げるものではない。
結論
贓物故買罪は成立する。売主が盗取者ではなく、中間の故買者である場合であっても、贓物性の認識がある限り、同罪の責任を免れない。
実務上の射程
盗品等罪(現256条)の客体について、いわゆる「加工」等により同一性が失われない限り、転売を繰り返しても贓物性が維持されることを示した。答案上は、盗品であることを知りながら第三者から買い受けた事案において、売主の属性を問わず成立を肯定する根拠として活用できる。
事件番号: 昭和23(れ)2057 / 裁判年月日: 昭和24年5月24日 / 結論: 棄却
一 賍物故買罪の判示としては、盜品を盜品と知りながら買受けた事實を證據により確定して判示すれば足り、何人が誰からその物を盜み取つたかの事實を判示する必要もなく、又その證據説示をする必要もない。(昭和二三年(れ)第六六五號、同年一〇月三〇最高裁判所第二小法廷判決参照) 二 憲法第三八條第三項は、一被告人の自白を裏付ける補…