原審裁判所は昭和二三年一二月一八日に第二回公判を開廷し、越えて同二四年二月一五日に至り、第三回公判を開廷した。その間一五日以上の期間を經過しているにもかかわらず原審裁判長は第三回公判期日に手續の更新をした跡の見るべきものがない。してみれば原審は手續の更新をしなかつたものと云わなくてはならないのであつて論旨は理由があり原判決は破毀を免れない。
法定期間内に公判手續を更新しない判決の違法
舊刑訴法353條,舊刑訴法410條16號,舊刑訴法64條
判旨
公判期日の間隔が15日以上経過した場合には、公判手続の更新を行わなければならない。更新手続を欠いた公判手続においてなされた判決は、訴訟手続の法令違反として破棄を免れない。
問題の所在(論点)
公判期日の間に15日以上の間隔がある場合において、公判手続の更新(現行刑事訴訟法315条参照)を行わずに判決を言い渡すことの適法性。
規範
旧刑事訴訟法下(及び現行法315条の趣旨に照らし)、公判期日の間隔が一定期間(15日以上)経過した場合には、それまでの審理の状況を明確にし、裁判官の記憶を新たにするため、公判手続を更新しなければならない。
重要事実
原審において、昭和23年12月18日に第2回公判が開廷された後、第3回公判が開廷されたのは昭和24年2月15日であった。この間、15日以上の期間が経過していたが、原審裁判長は第3回公判期日において手続の更新を行った形跡が記録上認められなかった。
あてはめ
本件では、第2回公判から第3回公判までに約2ヶ月という、15日を大幅に超える期間が経過している。このような長期の中断がある場合には、審理の連続性を維持し、適正な裁判を担保するために手続の更新が不可欠である。それにもかかわらず、原審が更新手続を経ずに審理を進めたことは、訴訟手続の規定に違反するものといえる。
結論
手続の更新を欠いた原判決には訴訟手続の法令違反があるため、これを破棄し、原審に差し戻すべきである。
実務上の射程
現行刑訴法315条(裁判官の更迭による更新)の議論において、同条の直接の規定はないものの、審理の長期中断による更新の必要性(いわゆる「更新制度」の趣旨)を検討する際の基礎となる判例である。答案上は、手続の形骸化を防ぐ趣旨として引用し得る。
事件番号: 昭和24(れ)2000 / 裁判年月日: 昭和25年2月15日 / 結論: 棄却
一件記録によれば、原審は昭和二四年三月一五日第一同公判を開いて事實の審理をなし、辯護人からの證人申請を採用してこれを次回に尋問することとしその期日を同年四月一六日と指定したのであるが、同月四日公判外において右期日を同年五月二六日に變更する旨の決定をなし該期日に第二回公判を開いて審理を遂げ結審したものである。從つて右第一…
事件番号: 昭和24(れ)2293 / 裁判年月日: 昭和25年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が公判手続更新の必要がないと認めた場合には、公判期日の間隔が15日以上開いたとしても、刑事訴訟規則施行規則に基づき公判手続を更新しないことは適法である。 第1 事案の概要:被告人A、Bに係る原審(控訴審)において、昭和24年3月12日の公判期日および同年4月27日の公判期日が、それぞれ前回の…