刑訴規則施行規則第三条第三号が刑訴施行法第一三条に基き適法に制定されたものであり且つ憲法第七七条による権限内に属する適憲なものであることは当裁判所昭和二四年(れ)第二〇〇〇号同二五年二月一五日大法廷判決及び第二四年(れ)二一二七号同二五年一〇月二五日大法廷判決に示すとおりである。そして同条号に依れば、新刑訴法施行前に公訴の提起があつた事件については同条号が適用される筋合であつて、開廷後引続き一五日以上開廷しなかつた場合にも必要と認める場合に限り公判手続を更新すれば足りるわけである。されば、原審が所論のように前回の開廷との間に引続き一五日以上の経過があつたにもかかわらず公判手続の更新をしなかつたからといつて違法ということはできない。
刑訴規則施行規則第三条第三号の合憲性(第七七条)
刑訴施行法13条,刑訴規則施行規則3条,憲法77条
判旨
新刑事訴訟法施行前に公訴が提起された事件において、開廷後引き続き15日以上開廷しなかった場合でも、裁判所が必要と認める場合に限り公判手続を更新すれば足り、直ちに更新義務が生じるわけではない。また、適法に証拠調べがなされた証拠の取捨選択は、経験則に反しない限り、裁判所の広範な裁量に属する。
問題の所在(論点)
1. 新法施行前に公訴提起された事件において、15日以上の開廷の空白が生じた場合に公判手続の更新は必要か。 2. 裁判所が特定の証拠を採用し、他の証拠を排除して事実認定を行うことは、採証の法則に反するか。
規範
1. 刑事訴訟法施行法3条に基づく刑訴規則施行規則3条3号によれば、新法施行前に公訴提起された事件については、開廷後15日以上の空白期間が生じても、裁判所が必要と認める場合に限り公判手続を更新すれば足りる。 2. 証拠の取捨選択および事実の認定は、裁判所の自由な裁量に属し、その過程が経験則や論理則に反しない限り、適法なものとして認められる。
重要事実
被告人は、新刑事訴訟法の施行前に公訴を提起された事件について被告人とされていた。原審において、前回の公判期日から次の開廷までに15日以上の期間が経過した事実があったが、裁判所は公判手続の更新を行わなかった。また、原審は被告人が無罪を裏付けると主張する証拠を採用せず、別個の証拠に基づき有罪の事実認定を行った。被告人は、公判手続の更新がないままなされた証拠調べの違法、および採証の法則違反を理由に上告した。
あてはめ
1. 本件は新法施行前に公訴提起された事件であり、刑訴規則施行規則3条3号が適用される。同条項によれば、15日以上の空白があっても更新を「必要と認める場合」に限って行えば足りるところ、原審は更新を必要と判断しなかったため、更新なしに証拠調べを継続したことは適法である。 2. 原判決が挙げた各証拠は、第13回公判廷において適法に証拠調べが行われている。被告人が主張する「証拠価値のない証拠」の採用や「犯人でないことを裏書する証拠」の不採用については、適法な証拠調べを経ている以上、その評価は裁判所の専権事項である。本件の認定過程に経験則違反等の違法は認められない。
結論
原判決に違法はなく、上告を棄却する。公判手続の更新がなされなかったこと、および証拠の取捨選択はいずれも裁判所の裁量の範囲内であり、適法である。
実務上の射程
新旧刑事訴訟法の経過措置に関する判断であるが、現代の刑事訴訟においても、公判手続の更新(刑訴法315条等)の必要性や、裁判所の自由心証主義(318条)の限界を検討する際の基礎的理解として機能する。特に証拠の取捨選択が裁判所の裁量に属することを改めて強調する事案である。
事件番号: 昭和24(れ)2206 / 裁判年月日: 昭和24年12月26日 / 結論: 棄却
原審第二回公判調書には、證據調に際して被告人に對して意見辯解を述べる機會を與えた旨が記載されている。その際辯護人にもその機會を與えたということは、特に記載されてはいないけれども、辯護人は公判廷に立會つていたのであるから、意見辯解を述べることができた筈である。(特に辯論を制限したよな事實は認められない)それ故に原審の證據…