最高裁判所が爲した決定に對してはさらに抗告を爲すことが許されないのは論を俟たぬところである。從つて本件抗告は不適法として棄却すべきものである。
最高裁判所の決定に對する抗告の適否
裁判所法7條
判旨
裁判所の決定に対する抗告は、決定をした裁判所に上級裁判所が存在する場合にのみ許される。最高裁判所が下した決定に対しては、さらに抗告を行うことは許されない。
問題の所在(論点)
最高裁判所がなした決定に対して、さらに抗告(いわゆる再抗告または抗告に類する不服申立て)をなすことが法的に許容されるか。
規範
裁判所の決定に対する抗告は、その決定をした裁判所がさらに上級裁判所を有する場合に限り許される。日本における司法制度の終審裁判所である最高裁判所の判断については、これ以上の不服申立てを認める制度上の根拠は存在しない。
重要事実
抗告人は、最高裁判所が行った何らかの決定(詳細は判決文からは不明)に不服があるとして、最高裁判所に対しさらに抗告を申し立てた。本事案は、最高裁判所の判断そのものを抗告の対象としうるかが問題となった事案である。
あてはめ
事件番号: 昭和24(ク)30 / 裁判年月日: 昭和24年6月28日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法上特に最高裁判所に申し立てることが許された場合を除き、申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が、特定の訴訟法上の規定の根拠がないままに、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):訴訟法上に特別の規定がない場合に、最高裁判…
抗告という制度は、下位の裁判所による判断の当否を上位の裁判所が審査するものである。しかるに、最高裁判所は憲法および裁判所法上の終審裁判所であり、これより上級の裁判所は存在しない。したがって、最高裁判所の決定を対象とする抗告は、その制度の本質に照らして認める余地がないといえる。
結論
最高裁判所の決定に対する抗告は不適法である。よって、本件抗告は棄却されるべきである。
実務上の射程
最高裁判所の判断には不可侵性があり、決定に対する通常の抗告は一切認められないという終審性を明確にしたものである。実務上、最高裁判所の決定に対しては特別抗告や異議申し立てが可能な場合を除き、重ねての不服申立ては即座に不適法却下(本判決では棄却)の対象となることを示している。
事件番号: 昭和24(ク)67 / 裁判年月日: 昭和24年10月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合に限り許容される。具体的には、旧民事訴訟法419条の2(現行336条)の特別抗告のように、憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、その抗告申立書の内容から、…
事件番号: 昭和28(ク)262 / 裁判年月日: 昭和28年11月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特別に認めた場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法適合性に関する判断の不当を理由とするもの(特別抗告)に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所への抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における…
事件番号: 昭和24(ク)24 / 裁判年月日: 昭和24年8月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合を除いては、これをすることができない。特別抗告(民訴法419条の2、現行336条1項)は憲法の判断が不当であることを理由とする場合に限られ、それに該当しない抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が、下級裁判所の決…
事件番号: 昭和24(ク)23 / 裁判年月日: 昭和24年5月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所への申立てを許容する規定(当時の民訴法419条の2等)がある場合に限り認められ、それ以外の場合は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、当該抗告は当時の民事訴訟法419条の2(民訴応急措置法7条)などの、…