酌量減輕の規定を適用するとしないとは原審の專權事項であるから被告人に對してこれをしなかつたとて法律違背ということは出來ない。
事實審の專權事項としての酌量減輕
刑法66條
判旨
被告人が公判廷において自白している場合には、その供述から犯意等の主観的要素を認定することができ、かつ補強証拠(被害届等)と総合することで有罪判決の基礎とすることができる。
問題の所在(論点)
公判廷において、過去の自白調書を読み聞かせられた際に内容を認めた供述が、犯意(故意)の認定根拠として許容されるか。また、それらの証拠により犯罪事実の認定が可能か。
規範
被告人の公判廷における自白(司法警察官の聴取書等の読み聞かせに対する肯定を含む)は、犯意の存在を認定するに足りる証拠となる。また、当該自白と客観的な被害状況を示す証拠(被害届等)を総合することで、事実認定に十分な証拠能力および証明力を有する。
重要事実
被告人Bは、窃盗の事案において、原審公判調書によれば司法警察官が作成した自白調書の読み聞かせを受け、その内容に相違ない旨を回答していた。また、証拠として被害者の盗難被害届も提出されていた。弁護側は、犯意の認定や証拠の不備を理由に上告した。
あてはめ
被告人Bは、原審公判廷において司法警察官の聴取書(自白)を読み聞かせられ、その通り相違ない旨を答えており、これは公判廷における自白と同視できる。この供述から犯意の存在を認めることが可能である。加えて、原判決は被害者の盗難被害届という客観的な外部証拠も挙げており、これらを総合すれば窃盗の事実は十分に認められる。
結論
被告人の自白と被害届に基づき窃盗罪の成立を認めた原判決に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
自白の補強法則(憲法38条3項、刑訴法319条2項)に関連し、公判廷における自白であっても、補強証拠としての被害届等と併せることで事実認定が維持されることを示した事例。証拠能力よりも証明力の構成において、公判供述の重要性を説く際に引用しうる。
事件番号: 昭和23(れ)264 / 裁判年月日: 昭和23年8月11日 / 結論: 棄却
一 記録によれば成程、被告人等は司法警察官の取調に對しては、いづれも本件犯行を自白していたが、公判の取調においては、「警察における取調に際しては刑事から毆られたので己むなく處僞の自白をしたもので被告人は本件強盜に關係していなかつたものである。」旨供述するに至つたことは所論の通りであるが、裁判所は第一審公判廷で被告人等の…
事件番号: 昭和24(れ)1288 / 裁判年月日: 昭和24年9月24日 / 結論: 棄却
盜難被害届中被害物件の數量の記載に、判示被害物件の數量と所論のような僅少の差異がありとしても、右盜難届の記載が判示犯罪事實に照應するものと認定する妨げとなるものではない。