司法警察官の聽取書の如く證人その他の者の供述を録取した書類は、法令によつて作成された訊問調書ではないが、刑訴應急措置法第一二條により、これを證據とすることができるものと解さねばならない。この見解は先きに當裁判所の判例として示されたところである(昭和二三年(れ)第一六七號、昭和二三年七月一九日大法廷判決)。
司法警察官の聽取書の證據能力
刑訴應急措置法12條1項
判旨
司法警察官が作成した供述録取書(聴取書)は、法令により作成された尋問調書には当たらないが、刑訴応急措置法12条に基づき証拠能力が認められる。
問題の所在(論点)
司法警察官が作成した供述録取書(聴取書)について、当時の刑事訴訟応急措置法12条に基づき、伝聞証拠として証拠能力を認めることができるか。
規範
司法警察官が証人その他の者の供述を録取した書面は、適法に作成された尋問調書ではない。しかし、旧刑事訴訟法下における応急措置的な証拠法の特則(刑訴応急措置法12条)の適用により、これに証拠能力を認めることができる。
重要事実
被告人の刑事事件において、原審はA及びBに対する司法警察官作成の供述聴取書の一部を証拠として採用し、有罪判決の基礎とした。弁護人は、当該聴取書は法令に基づき作成された尋問調書ではないため、証拠能力が認められないと主張して上告した。
あてはめ
本件の司法警察官による聴取書は、形式的には法令に定められた裁判所等の尋問調書とは性質を異にするものである。しかし、当時の判例(昭和23年7月19日大法廷判決)の趣旨に照らせば、刑訴応急措置法12条の規定を適用することで、これら供述記載の証拠採用を肯定することが可能である。したがって、原判決がA及びBの聴取書を証拠として採用した過程に違法はない。
結論
司法警察官の聴取書は証拠能力を有し、これに基づいて事実認定を行った原判決に採証法則違反はない。上告棄却。
実務上の射程
本判決は現行刑訴法以前の応急措置法下の判断であるが、伝聞例外の許容性に関する初期の解釈を示す。現在の司法試験では、刑訴法321条1項等の伝聞例外規定の適用要件(特信情況や不可欠性)を具体的に検討する際の歴史的背景として理解すべきである。
事件番号: 昭和23(れ)791 / 裁判年月日: 昭和23年11月30日 / 結論: 棄却
酌量減輕の規定を適用するとしないとは原審の專權事項であるから被告人に對してこれをしなかつたとて法律違背ということは出來ない。
事件番号: 昭和24(れ)650 / 裁判年月日: 昭和24年6月23日 / 結論: その他
原判決は被告人A、Bの犯罪事實を認定するにあたり、證人Cに對する豫審訊問調書中の同人の供述記載を證據として採用しているのである、ところが記録を調べてみると原審第三回公判期日において沖辯護人は右Cを證人として喚問されたとき旨證據申請をしたに拘わらず原審はこれを却下したこと及び右Cについては第一審においても證人として訊問さ…