一 未決勾留の日數を本刑に算入すると否とは、事實審裁判所か諸般の事情を考量して、その自由裁量をもつて決すべきところであつて、原審が第一審における未決勾配の日數を算入しなかつた點(本件において、第二審における未決勾留の日數は、刑事訴訟法第五五六條第一項第二號により當然に通算せられる)を非難する論旨は上告適法の理由とはならない。 二 未決勾留日數を本刑に算入しないことをもつて、憲法に保障する基本的人權を侵害するものであるという論旨の理由のないことは、當裁判所の判例とするところ(昭和二二年(れ)第一〇五號、同二三年四月七日大法廷判決)に徴し明瞭である。
一 未決勾留日數を通算しない判決と上告理由 二 未決勾留日數を通算しない判決と憲法第一一條
刑法21條,刑訴法556條,憲法11條
判旨
未決勾留日数の本刑算入の成否は、事実審裁判所の自由裁量に委ねられており、これを算入しないことが直ちに基本的人権を侵害するものではない。
問題の所在(論点)
事実審裁判所が第一審における未決勾留日数を本刑に算入しないことが許されるか。また、その不算入が憲法違反となるか。
規範
未決勾留日数の本刑への算入は、事実審裁判所が諸般の事情を総合的に考量し、その自由裁量によって決定すべき事項である。
重要事実
被告人が第一審において未決勾留を受けたが、原審(控訴審)は当該未決勾留日数を本刑に算入しなかった。これに対し、被告人側は未決勾留日数を算入しないことが憲法の保障する基本的人権を侵害するものであるとして上告した。
あてはめ
本件において、原審は第一審の未決勾留日数を本刑に算入しない判断を下している。未決勾留日数の算入は裁判所の裁量に属する事柄であり、諸般の事情に鑑みて不算入とした原審の判断は、法的な裁量の範囲内にあるといえる。また、過去の判例(昭和22年(れ)第105号等)に照らせば、不算入の措置が基本的人権を不当に侵害しているとは認められない。
結論
未決勾留日数を算入するか否かは裁判所の自由裁量であり、これを算入しなかった原判決に違憲・違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
刑法21条(未決勾留日数の算入)に関する裁判所の広範な裁量を認める判例として位置付けられる。答案上、算入の要否が争点となった場合には、本判例を根拠に「裁判所の自由裁量」に属することを指摘し、裁量権の逸脱・濫用がないかを検討する枠組みで論じるのが適当である。
事件番号: 昭和26(あ)478 / 裁判年月日: 昭和27年7月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】未決勾留日数を本刑に算入するか否かは裁判所の裁量に属し、これを算入しないことが直ちに憲法13条等に違反するものではない。 第1 事案の概要:被告人が昭和24年3月7日から同月25日までの18日間、未決勾留されていたにもかかわらず、第一審判決がこの日数を本刑に算入しなかった。弁護人は、この不通算が刑…