未決勾留日數の全部を本刑に通算しなくても憲法に違反するものでないことは既に當裁判所大法廷の判示する所である。(昭和二二年(れ)第一〇五號事件同二三年四月七日言渡判決)
未決勾留日數の全部を本刑に通算しない判決の合憲性
刑法21條
判旨
未決勾留日数の全部を本刑に算入しないことは、憲法及びその他の法令に違反するものではない。
問題の所在(論点)
裁判所が未決勾留日数の全部を本刑に通算しないことが、憲法や法令に違反するか。刑法21条(当時の運用)および憲法の適正手続等との関係が問題となる。
規範
未決勾留日数の本刑算入に関する裁量は裁判所にあり、その全部を算入しなかったとしても、憲法やその他の法令に抵触するものではない。
重要事実
被告人が未決勾留日数の算入を求めて上告した事案。原判決は、未決勾留日数の一部(30日)を本刑に算入していたが、上告人はその全部の通算を求めた。
あてはめ
最高裁判所大法廷の判例(昭和23年4月7日判決)を引用し、未決勾留日数の全部を算入しないことの合憲性を確認した。本件においても、原審が未決勾留日数のうち30日を算入している事実に照らし、全部通算を行わなかったことは法令違反にあたらないと解される。
結論
未決勾留日数の全部を通算しなくても憲法及びその他の法令に違反しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
刑法21条の「未決勾留日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる」という規定の合憲性を支える判例であり、算入の程度は裁判所の裁量に委ねられていることを示す。
事件番号: 昭和23(れ)762 / 裁判年月日: 昭和23年11月13日 / 結論: 棄却
一 未決勾留の日數を本刑に算入すると否とは、事實審裁判所か諸般の事情を考量して、その自由裁量をもつて決すべきところであつて、原審が第一審における未決勾配の日數を算入しなかつた點(本件において、第二審における未決勾留の日數は、刑事訴訟法第五五六條第一項第二號により當然に通算せられる)を非難する論旨は上告適法の理由とはなら…