裁判所法第七條第二號によれば、最高裁判所は日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に關する法律第一八條の如く法律が特に最高裁判所に抗告を申立てることができる旨を定めている抗告についてのみ裁判權を有するものであることは既に當裁判所の判例とするところである。しかるに本件抗告は前記應急的措置に關する法律第一八條に規定する場合に該當しないばかりでなく他に本件の如き抗告を最高裁判所に申立てることを特に定めた法律もないから本件抗告は不適法である。
高等裁判所がなした上告申立棄却の決定に對する抗告の適否
裁判所法7條2項,刑訴應急措置法18條,刑訴法420條
判旨
最高裁判所は、法律が特に最高裁判所に抗告を申し立てることができる旨を定めている場合に限り、抗告についての裁判権を有する。
問題の所在(論点)
最高裁判所が抗告事件について裁判権を有するための要件、および法律の特別の定めがない抗告の適法性が問題となる(裁判所法7条2号)。
規範
裁判所法7条2号によれば、最高裁判所は、法律が特に最高裁判所に抗告を申し立てることができる旨を定めている抗告についてのみ、裁判権を有する。具体的には、「日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律」18条のように、個別の法律による特段の定めが必要である。
重要事実
本件は、最高裁判所に対して抗告が申し立てられた事案である。しかし、当該抗告は「日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律」18条に規定する場合に該当せず、その他に最高裁判所への抗告を認める特別の法律の定めも存在しなかった。詳細は判決文からは不明である。
事件番号: 昭和23(つ)8 / 裁判年月日: 昭和23年9月13日 / 結論: 棄却
最高裁判所に對しては刑訴應急措置法第一八條のように特に最高裁判所に抗告を申立てることを許された場合の外抗告をすることは許されないものであることは既に當裁判所の判例とするところである。(昭和二二年(つ)第七號、昭和二二年一二月八日決定)
あてはめ
本件抗告についてみると、当時の刑事訴訟法の応急的措置に関する法律18条に規定される要件を満たしておらず、かつ、本件のような抗告を最高裁判所に申し立てることを認めた他の法的根拠も認められない。したがって、最高裁判所が本件について裁判権を行使するための法律上の要件を欠いているといえる。
結論
本件抗告は、最高裁判所に申し立てることを特に定めた法律の根拠がないため、不適法であり棄却される。
実務上の射程
最高裁判所の管轄権が限定的であることを示す基本的な判例である。裁判所法7条が定める上告および抗告の受理権限の厳格な解釈を導く際、特に「法律に特別の定めがある場合」という文言の意義を確認するために用いられる。
事件番号: 昭和22(つ)10 / 裁判年月日: 昭和23年5月19日 / 結論: 棄却
一 所論のような場合(關東大水害による交通杜絶の爲め出廷し能はずとして公判期日延期の申請を電報でなした場合)であるからと言つて上告審における公判期日の延期申請を必ず許さねばならぬ憲法上の根據は全然これを發見することができない。 二 水害に依る交通杜絶を理由として公判期日の延期申請を電報で爲したにも拘わらず、裁判所は之を…
事件番号: 昭和28(し)75 / 裁判年月日: 昭和28年10月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、裁判所法7条2号に基づき、法律が特に最高裁判所に対して抗告を申し立てることができる旨を定めている場合に限り裁判権を有する。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、当該抗告は刑訴応急措置法18条に規定する場合に該当せず、また、他に最高裁判所への申し立…
事件番号: 昭和23(つ)14 / 裁判年月日: 昭和23年9月22日 / 結論: 棄却
最高裁判所に對しては、刑訴應急措置法第一八條のように特に最高裁判所に抗告を申立てることを許された場合の外抗告をすることは許されないものであることは既に當裁判所の判例とするところである(昭和二二年(つ)第七號、同年一二月八日決定)。
事件番号: 昭和26(し)60 / 裁判年月日: 昭和26年9月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対して抗告を申し立てることができるのは、刑訴応急措置法18条のように特別に許容された場合に限られる。本件抗告はこれに該当しないため、不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対し抗告を申し立てた事案。本件抗告が、法令により特別に最高裁判所への直接の申立…