判旨
最高裁判所は、裁判所法7条2号に基づき、法律が特に最高裁判所に対して抗告を申し立てることができる旨を定めている場合に限り裁判権を有する。
問題の所在(論点)
最高裁判所が直接抗告を受理し、裁判権を行使できるための要件(裁判所法7条2号の解釈)。
規範
最高裁判所が抗告事件について裁判権を有するのは、裁判所法7条2号に基づき、法律(刑訴応急措置法18条等)が特に最高裁判所に対して抗告を申し立てることができる旨を規定している場合に限定される。
重要事実
抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、当該抗告は刑訴応急措置法18条に規定する場合に該当せず、また、他に最高裁判所への申し立てを許容する法律の規定も存在しなかった。
あてはめ
本件抗告についてみると、刑訴応急措置法18条所定の要件を満たさない。さらに、その他の法律においても、本件のような抗告を特に最高裁判所に申し立てることを許した規定は存しない。したがって、裁判所法7条2号が定める「他の法律において特に定める」場合に該当しないといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
最高裁判所の管轄権が法定のものに限定されることを確認する実務上の基本指針。刑事訴訟における特別抗告や跳躍上告など、個別規定の根拠がない限り最高裁は受理できないことを示す。
事件番号: 昭和33(す)195 / 裁判年月日: 昭和33年7月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所法7条にいう「訴訟法において特に定める抗告」とは、訴訟法上で特に最高裁判所の権限に属するものと定められた抗告のみを指し、高等裁判所の決定・命令に対する一般的な抗告は含まれない。 第1 事案の概要:本件は旧刑事訴訟法が適用される事件であり、抗告人は高等裁判所の決定に対して即時抗告を申し立てた。…
事件番号: 昭和28(し)16 / 裁判年月日: 昭和28年5月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、抗告を申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由は、法律(刑訴応急措置法18条等)において例外的に最高裁判所への抗告が認められている事由には該当しないものであった。 第2 問題…
事件番号: 昭和34(す)54 / 裁判年月日: 昭和34年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、刑訴応急措置法18条1項に規定される憲法違反等の特別の理由がある場合に限り、下級裁判所の決定に対する抗告を受理する権限を有する。憲法上の判断を含まない再審請求棄却決定に対する抗告は、同項の要件を欠き不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所がなした再審請求棄却決定に対し、旧…
事件番号: 昭和40(し)17 / 裁判年月日: 昭和43年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、上告のほか訴訟法において特に定める抗告についてのみ裁判権を有するところ、旧法事件において右にいう抗告とは、刑訴応急措置法18条による抗告のみをいう。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所がした再審請求棄却決定を不服として、旧刑訴法510条に基づき最高裁判所に対して即時抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和39(し)90 / 裁判年月日: 昭和40年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧法下で終結した事件の再審請求に対する高等裁判所の決定については、旧刑訴法及び刑訴応急措置法が適用され、最高裁判所への即時抗告は許されず、憲法違反等の事由がある場合の特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:本件は、旧旧刑訴法の下で公訴が提起され、かつ終結した強盗殺人事件である。これに対する再…