判旨
最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、抗告を申し立てることはできない。
問題の所在(論点)
法律に特別の定めがない場合に、最高裁判所に対して抗告を申し立てることの可否(刑事訴訟法における抗告の適格性)。
規範
最高裁判所に対する抗告は、刑訴応急措置法18条のように、法律によって特に最高裁判所への申し立てが許容されている場合に限定される。これに該当しない抗告は、適法な不服申し立て方法とは認められない。
重要事実
抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由は、法律(刑訴応急措置法18条等)において例外的に最高裁判所への抗告が認められている事由には該当しないものであった。
あてはめ
本件抗告の内容を検討すると、最高裁判所への抗告が特に許されている「刑訴応急措置法18条」等の規定に該当しないことは、抗告申立書自体の記載から明らかである。したがって、本件申し立ては不適法な抗告といえる。
結論
本件抗告は、最高裁判所に申し立てることが許された場合に当たらないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
最高裁判所への不服申し立てが、特別抗告や再抗告といった法定の形式によらなければならないことを確認する。実務上、上訴権の範囲は法定されていることを示す基礎的な判例である。
事件番号: 昭和28(し)74 / 裁判年月日: 昭和29年3月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、直接抗告を申し立てることはできない。また、特別抗告として申し立てる場合であっても、その理由が再審事由等の法定された事由に該当しない限り不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、旧刑事訴訟法510条に基づき、最高裁判所に対して即時抗告を申し立…
事件番号: 昭和40(し)17 / 裁判年月日: 昭和43年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、上告のほか訴訟法において特に定める抗告についてのみ裁判権を有するところ、旧法事件において右にいう抗告とは、刑訴応急措置法18条による抗告のみをいう。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所がした再審請求棄却決定を不服として、旧刑訴法510条に基づき最高裁判所に対して即時抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和29(し)63 / 裁判年月日: 昭和29年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法施行法2条に基づき旧刑事訴訟法が適用される事件において、最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条等の特別の規定がある場合に限り許容される。本件は当該規定に定められた理由を主張するものではないため、不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:本件は旧刑事訴訟法が適用さ…
事件番号: 昭和39(し)90 / 裁判年月日: 昭和40年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧法下で終結した事件の再審請求に対する高等裁判所の決定については、旧刑訴法及び刑訴応急措置法が適用され、最高裁判所への即時抗告は許されず、憲法違反等の事由がある場合の特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:本件は、旧旧刑訴法の下で公訴が提起され、かつ終結した強盗殺人事件である。これに対する再…
事件番号: 昭和27(し)92 / 裁判年月日: 昭和28年2月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、裁判所法7条2号に基づき、法律が特に最高裁判所への申立てを認めた抗告についてのみ裁判権を有する。 第1 事案の概要:抗告人が、再審請求に関する決定等に対して最高裁判所へ即時抗告を申し立てた事案。抗告人は憲法違反を主張して最高裁判所の判断を求めたが、当該抗告が法律上最高裁判所に直接認め…