判旨
最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、直接抗告を申し立てることはできない。また、特別抗告として申し立てる場合であっても、その理由が再審事由等の法定された事由に該当しない限り不適法である。
問題の所在(論点)
法律上、最高裁判所に対する直接の抗告が認められる範囲、および特別抗告として受理されるための実質的要件(申立理由の性質)が問題となる。
規範
最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟応急措置法18条(現行刑訴法433条に相当)のように、特に最高裁判所への申立てが法律上許容されている場合に限られる。これに該当しない旧法に基づく即時抗告は認められず、また特別抗告であっても、その理由が法定された再審事由等に該当しない場合は不適法となる。
重要事実
申立人は、旧刑事訴訟法510条に基づき、最高裁判所に対して即時抗告を申し立てた。申立人は訴訟法違反を主張の根拠としていたが、その内容は再審事由には当たらないものであった。
あてはめ
本件申立ては旧刑事訴訟法510条に基づく即時抗告であり、最高裁判所に対して特に認められた抗告ではないため形式的に不適法である。仮に刑事訴訟応急措置法18条の特別抗告と解したとしても、その主張内容は単なる訴訟法違反に過ぎず、法定の適法理由である再審事由には該当しない。したがって、実質的にも申立理由を欠くといえる。
結論
本件抗告は不適法であり、棄却されるべきである。
実務上の射程
最高裁への不服申立てにおける限定列挙性の原則を確認するものである。実務上は、現行刑訴法433条の特別抗告において、憲法違反や判例相反などの法定事由を厳格に具備する必要があることを示す基礎的な判断枠組みとして活用される。
事件番号: 昭和28(し)16 / 裁判年月日: 昭和28年5月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、抗告を申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由は、法律(刑訴応急措置法18条等)において例外的に最高裁判所への抗告が認められている事由には該当しないものであった。 第2 問題…
事件番号: 昭和27(し)92 / 裁判年月日: 昭和28年2月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、裁判所法7条2号に基づき、法律が特に最高裁判所への申立てを認めた抗告についてのみ裁判権を有する。 第1 事案の概要:抗告人が、再審請求に関する決定等に対して最高裁判所へ即時抗告を申し立てた事案。抗告人は憲法違反を主張して最高裁判所の判断を求めたが、当該抗告が法律上最高裁判所に直接認め…
事件番号: 昭和29(し)20 / 裁判年月日: 昭和29年6月15日 / 結論: 棄却
有罪を言渡した確定判決に対する再審の請求を棄却した地裁の決定に対する即時抗告について、高裁が右再審請求の事由とするところは不適法であるとして、右即時抗告を棄却した決定に対しては、右確定判決に憲法違反があることを理由として最高裁判所に特別抗告を申し立てることはできない。
事件番号: 昭和29(し)63 / 裁判年月日: 昭和29年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法施行法2条に基づき旧刑事訴訟法が適用される事件において、最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条等の特別の規定がある場合に限り許容される。本件は当該規定に定められた理由を主張するものではないため、不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:本件は旧刑事訴訟法が適用さ…
事件番号: 昭和28(し)45 / 裁判年月日: 昭和28年7月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求の棄却決定に対する即時抗告において、原決定が単に再審事由の不在を判断したに留まり憲法上の判断を示していない場合、当該抗告は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:抗告人は再審請求を行ったが、原裁判所は、主張された請求理由が旧刑訴法485条各号(再審事由)のいずれにも該当しないとしてこれ…