判旨
刑事訴訟法施行法2条に基づき旧刑事訴訟法が適用される事件において、最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条等の特別の規定がある場合に限り許容される。本件は当該規定に定められた理由を主張するものではないため、不適法として棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法施行法2条により旧法が適用される事件において、最高裁判所に対する抗告が許容されるための要件および範囲が問題となる。
規範
刑事訴訟法施行法2条により旧刑事訴訟法が適用される事件につき、最高裁判所に対して抗告を申し立てるためには、刑事訴訟法応急措置法18条のように、訴訟法において特に最高裁判所に抗告をなし得る旨を定めた規定が存在することを要する。
重要事実
本件は旧刑事訴訟法が適用される事件において、最高裁判所に対し即時抗告がなされた事案である。申立人は即時抗告を申し立てたが、その抗告理由は、最高裁判所への抗告を特別に認める刑事訴訟法応急措置法18条所定の事由に該当するものではなかった。
あてはめ
刑事訴訟法応急措置法18条等は、特定の事由がある場合に限って最高裁判所への抗告を認めている。本件の即時抗告申立書を確認すると、そこに記載された抗告理由は、同条等に定められた特別の理由を主張するものではないことが明らかである。したがって、本件抗告は、例外的に最高裁判所への不服申し立てを認めるべき法的根拠を欠いているといえる。
結論
本件即時抗告は、法に定められた抗告理由を主張するものではなく、不適法であるため、棄却を免れない。
実務上の射程
新法移行期の経過措置に関する判例であり、現行法下での実務上の重要性は極めて限定的である。もっとも、不服申立経路が法定されている場合、その要件を満たさない申立ては不適法却下(棄却)されるという上訴の基本原則を確認する際の一資料となり得る。
事件番号: 昭和40(し)17 / 裁判年月日: 昭和43年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、上告のほか訴訟法において特に定める抗告についてのみ裁判権を有するところ、旧法事件において右にいう抗告とは、刑訴応急措置法18条による抗告のみをいう。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所がした再審請求棄却決定を不服として、旧刑訴法510条に基づき最高裁判所に対して即時抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和28(し)74 / 裁判年月日: 昭和29年3月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、直接抗告を申し立てることはできない。また、特別抗告として申し立てる場合であっても、その理由が再審事由等の法定された事由に該当しない限り不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、旧刑事訴訟法510条に基づき、最高裁判所に対して即時抗告を申し立…
事件番号: 昭和28(し)16 / 裁判年月日: 昭和28年5月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、抗告を申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由は、法律(刑訴応急措置法18条等)において例外的に最高裁判所への抗告が認められている事由には該当しないものであった。 第2 問題…
事件番号: 昭和39(し)90 / 裁判年月日: 昭和40年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧法下で終結した事件の再審請求に対する高等裁判所の決定については、旧刑訴法及び刑訴応急措置法が適用され、最高裁判所への即時抗告は許されず、憲法違反等の事由がある場合の特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:本件は、旧旧刑訴法の下で公訴が提起され、かつ終結した強盗殺人事件である。これに対する再…
事件番号: 昭和44(し)28 / 裁判年月日: 昭和44年6月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑事訴訟法下で提起された事件の再審請求について、高等裁判所がなした決定に対する即時抗告は認められず、憲法違反を理由とする特別抗告のみが可能である。 第1 事案の概要:窃盗被告事件について旧刑事訴訟法(大正11年法律第75号)の下で公訴が提起され、終結した。その後、当該事件について再審請求がなされ…