判旨
再審請求の棄却決定に対する即時抗告において、原決定が単に再審事由の不在を判断したに留まり憲法上の判断を示していない場合、当該抗告は不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
原裁判所が憲法判断を行わず、単に再審事由の不充足を理由に請求を棄却した場合、これに対する即時抗告は適法か。
規範
最高裁判所に対する即時抗告が適法であるためには、刑訴応急措置法18条1項(当時)に基づき、原決定に憲法違反の判断が含まれていることを要する。
重要事実
抗告人は再審請求を行ったが、原裁判所は、主張された請求理由が旧刑訴法485条各号(再審事由)のいずれにも該当しないとしてこれを棄却した。これに対し、抗告人は最高裁判所へ即時抗告を申し立てた。
あてはめ
原決定は、抗告人の主張が旧刑訴法485条所定の再審事由に当たらない旨を判示したに過ぎない。内容を精査しても、憲法上の判断を示した箇所は認められない。したがって、刑訴応急措置法18条1項が定める「憲法上の判断」という要件を具備していないといえる。
結論
本件即時抗告は、不適法なものとして棄却されるべきである。
実務上の射程
新法下の刑事訴訟法405条、433条等における特別抗告の要件(憲法違反・判例違反)を検討する際の基礎的な判断枠組みとして参照される。原決定が実体法・手続法上の解釈に終始し、憲法に触れていない場合には、上告・特別抗告の適法性を欠くとする実務上の準則を示すものである。
事件番号: 昭和28(し)74 / 裁判年月日: 昭和29年3月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、直接抗告を申し立てることはできない。また、特別抗告として申し立てる場合であっても、その理由が再審事由等の法定された事由に該当しない限り不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、旧刑事訴訟法510条に基づき、最高裁判所に対して即時抗告を申し立…
事件番号: 昭和28(し)16 / 裁判年月日: 昭和28年5月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、抗告を申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由は、法律(刑訴応急措置法18条等)において例外的に最高裁判所への抗告が認められている事由には該当しないものであった。 第2 問題…
事件番号: 昭和40(し)17 / 裁判年月日: 昭和43年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、上告のほか訴訟法において特に定める抗告についてのみ裁判権を有するところ、旧法事件において右にいう抗告とは、刑訴応急措置法18条による抗告のみをいう。 第1 事案の概要:抗告人は、原裁判所がした再審請求棄却決定を不服として、旧刑訴法510条に基づき最高裁判所に対して即時抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和27(し)92 / 裁判年月日: 昭和28年2月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、裁判所法7条2号に基づき、法律が特に最高裁判所への申立てを認めた抗告についてのみ裁判権を有する。 第1 事案の概要:抗告人が、再審請求に関する決定等に対して最高裁判所へ即時抗告を申し立てた事案。抗告人は憲法違反を主張して最高裁判所の判断を求めたが、当該抗告が法律上最高裁判所に直接認め…
事件番号: 昭和39(し)90 / 裁判年月日: 昭和40年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧法下で終結した事件の再審請求に対する高等裁判所の決定については、旧刑訴法及び刑訴応急措置法が適用され、最高裁判所への即時抗告は許されず、憲法違反等の事由がある場合の特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:本件は、旧旧刑訴法の下で公訴が提起され、かつ終結した強盗殺人事件である。これに対する再…