控訴審の係属中に死亡した訴訟代理人を控訴判決に表示したからといつて、右判決の効力が左右されるものではない。
控訴審の係属中に死亡した訴訟代理人を控訴判決に表示した場合における外判決の効力
民訴法79条,民訴法394条
判旨
判決言渡前に訴訟代理人が死亡し判決書にその氏名が表示されていても判決の効力は妨げられず、和解勧試の成否や判決言渡期日延期の理由告知は裁判所の裁量に属する。
問題の所在(論点)
訴訟代理人の死亡が判決の効力に及ぼす影響、和解勧試義務の有無、および判決言渡期日の延期理由の告知義務の存否が問題となった。
規範
1. 判決言渡前に訴訟代理人が死亡した場合であっても、判決書に当該代理人の氏名が表示されていることのみをもって判決の効力が左右されることはない。2. 和解を勧試するか否かは裁判所の裁量事項である。3. 判決言渡期日を延期する場合、その延期理由を当事者に告知することを要しない。
重要事実
上告人は、原審の判決言渡前に被上告人の訴訟代理人弁護士が死亡していたにもかかわらず判決書にその氏名が表示されている点や、裁判所が和解の申立てを却下した点、さらには判決言渡期日が延期された際にその理由が告知されなかった点などを捉えて、原判決の違法を主張して上告した。
あてはめ
被上告人の代理人が死亡した事実は、既に結審した後の判決の効力自体を否定する理由にはならない。また、和解は裁判所の裁量によるものであり、上告人の申立てを排斥したことに違法はない。さらに、記録上判決は指定された期日に言い渡されており、期日の延期理由を当事者に告知すべき法的義務も存在しない。したがって、上告人が主張する各事由はいずれも判決の正当性を揺るがすものではない。
結論
本件上告は棄却される。原判決に上告人が主張するような違法は認められない。
実務上の射程
訴訟手続の形式的な不備や裁判所の訴訟指揮(裁量事項)に関する限界を示した事例である。特に和解勧試が裁判所の広範な裁量に属すること、および代理人の死亡という後発的事情が結審後の判決の効力に当然には影響しないことを確認する際に参照される。
事件番号: 昭和52(オ)588 / 裁判年月日: 昭和52年12月23日 / 結論: その他
訴訟手続の中断中に、中断の事実を看過して口頭弁論期日を開き、弁論を終結し、判決を言い渡した原審の訴訟手続には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違背があり、その判決は破棄を免れない。