競売手続においての利害関係人を定める民訴法第六四八条の規定は、憲法第三二条所定の裁判を受ける権利があるかどうかとはなんら関係がない。
民訴法第六四八条と憲法第三二条。
民訴法648条,憲法32条
判旨
強制競売手続における利害関係人の範囲を定める規定は、裁判を受ける権利(憲法32条)とは直接関係しないため、当該規定に関する解釈や適用に不服があるとしても、それのみでは特別抗告の事由となる憲法違反の主張として成立しない。
問題の所在(論点)
強制競売手続における利害関係人の範囲の限定(旧民訴法648条)が、憲法32条所定の裁判を受ける権利を侵害し、特別抗告事由としての憲法違反に該当するか。
規範
最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特別に最高裁判所への抗告が許容される場合に限定される。民事事件における特別抗告(旧民訴法419条の2、現行336条)がこれに該当し、憲法違反の主張が前提を欠く場合には、抗告は不適法として却下される。
重要事実
抗告人は、強制競売手続における利害関係人の範囲を定めた旧民訴法648条に関し、原決定が抗告人を同条の利害関係人に該当しないとしたこと、および同条の規定自体が憲法32条(裁判を受ける権利)や憲法76条3項(裁判官の職権行使と良心)に違反すると主張して特別抗告を申し立てた。
事件番号: 昭和38(ク)423 / 裁判年月日: 昭和38年11月21日 / 結論: 却下
特別抗告制度が違憲であるとの主張は、特別抗告適法の理由にならない(昭和二七年一〇月一五日大法廷決定、民集六巻九号八二七頁参照)。
あてはめ
旧民訴法648条の規定は、あくまで強制競売手続内での利害関係人の範囲を画定する手続規定にすぎない。したがって、裁判所が抗告人を当該利害関係人に該当しないと判断したとしても、それは手続上の適格性の判断であって、憲法32条が保障する「裁判を受ける権利」そのものを否定するものではない。また、裁判官が意図的に良心に反して判断した事実は認められない。ゆえに、違憲の主張は前提を欠いている。
結論
本件抗告は、民事訴訟法が定める特別抗告の要件を充足しないため、不適法として却下される。
実務上の射程
執行手続上の利害関係の有無という技術的・手続的な認定に関する不満を憲法違反にこじつけることはできないことを示す。特別抗告を申し立てる際の適格な憲法違反の主張の限界を画する実務上の指針となる。
事件番号: 昭和52(ク)331 / 裁判年月日: 昭和52年11月14日 / 結論: 却下
競売法二七条四項は任意競売手続における利害関係人の範囲を定めた規定であつて、憲法三二条所定の裁判を受ける権利があるかどうかとはなんら関係がない。
事件番号: 昭和31(ク)80 / 裁判年月日: 昭和31年4月11日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告が許容されている場合に限られる。民事事件においては、憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)に該当しない限り、不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、競売法に基づく競売手続に関連し、原審の判断…
事件番号: 昭和32(ク)78 / 裁判年月日: 昭和32年6月11日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告が許容されている場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人が、ある民事事件に関して最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、当該抗告は当時の民事訴訟法419条の2が定める特別の申立事由を備えていなかった。 第2 問題…
事件番号: 昭和30(ク)225 / 裁判年月日: 昭和31年1月24日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告が許容されている場合に限定される。民事事件においては、旧民事訴訟法419条の2(現行の特別抗告等)に定められた場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人が、民事事件に関して最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件に…