弟が他人から生命を害された場合において、兄が自分に子がないところから将来は右弟に家業を継がせようと考えていたこと、現に右弟は兄の同居の家族としてその有力な働き手であつたことからみれば、右弟の不慮の死によつて受けた兄の精神的苦痛は相当大きいものということができるから、右兄に固有の慰藉料請求権が認められる(論旨は、この点を指摘していない)。
生命を害された者の兄に固有の慰藉料請求権が認められた事例
民法711条
判旨
不法行為に基づく損害賠償請求において、事故発生に関する当事者の過失の有無は、認定された事実関係に照らして判断されるべきであり、その判断に不合理な点がなければ適法とされる。
問題の所在(論点)
不法行為(民法709条)の成立要件である「過失」の存否について、原審の事実認定および法的評価に理由不備等の違法があるか。
規範
過失の成否は、結果発生の予見可能性および回避可能性を前提とした注意義務違反の有無によって判断される。裁判所が認定した事実関係に基づき、当時の状況下で求められる注意義務を怠ったと認められる場合には、過失の存在が肯定される。
重要事実
本件は、事故が発生したことに関し、Dに過失が認められるかどうかが争点となった事案である。原審は、認定した事実関係に基づきDの過失を肯定したが、これに対し上告人が理由不備等の違法を主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、原判決が認定した事実関係を前提とすれば、Dに本件事故発生についての過失があると判断したことは是認できるとした。したがって、原判決の判断過程に論理的な飛躍や理由不備の違法は認められないと評価した。
結論
Dに過失があるとした原審の判断は正当であり、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決自体は簡短な上告棄却判決であり、具体的な過失の規範を詳細に示したものではない。実務上は、事実認定に基づく過失の評価が原審の裁量の範囲内であれば、上告審で覆すことは困難であることを示す一例として参照される。
事件番号: 昭和38(オ)691 / 裁判年月日: 昭和39年6月18日 / 結論: 棄却
未乾燥の印刷物を断截して製本作業をするとその結果インキの光沢を失い、断截機の押力でインキが印刷物の紙の裏に附着したりインキが飛んだり紙を汚染し出来上りが不良になるという事実を、公知の事実ということはできない。