適法な呼出を受けながら当事者双方が判決言渡期日に出頭しない場合に、言渡が延期され、次回期日が指定告知されたときは、その新期日につき告知の効力を生じ、呼出状の送達をする必要がないと解すべきである。
当事者双方不出頭の場合に延期された判決言渡期日の告知と呼出状の送達の要否
民訴法154条,民訴法190条2項,民訴法204条,民訴法207条
判旨
判決言渡期日に当事者双方が欠席したため言渡を延期し、新期日をその場で指定告知した場合には、欠席当事者に対し別途の新期日の告知や呼出状の送達を要しない。
問題の所在(論点)
適法な判決言渡期日に当事者が欠席し、裁判所が言渡を延期して新たな期日を指定告知した場合において、欠席当事者に対し、民事訴訟法上の呼出状の送達等の手続を改めて行う必要があるか。
規範
適法に指定告知された判決言渡期日において、当事者双方が不出頭であることを理由に言渡を延期し、その場で新たな言渡期日を指定・告知した場合には、欠席した当事者に対して改めて新期日の告知や呼出状の送達を行う必要はない。
重要事実
上告人らは、民事訴訟の判決言渡期日(昭和36年5月29日)において当事者双方が欠席したところ、裁判所が言渡を延期し、新期日(同年6月12日)を指定告知し、さらに同日も同様に欠席したため再度延期して新期日(同年6月26日)を指定し、その期日に判決を言い渡した。上告人らは、欠席した当事者に対して別途新期日の告知や呼出状の送達がなされていないことを手続上の違法として争った。
あてはめ
本件では、当初の判決言渡期日は適法に指定・告知されており、当事者はその期日を知り得る状態にあった。裁判所が当日、当事者不在のまま言渡を延期し、法廷で次回の期日を指定・告知する行為は、期日の連続性を維持するものであり、当事者が自ら出頭しなかったことにより生じた結果にすぎない。したがって、その都度、欠席当事者に対して個別に呼出状を送達するなどの義務を裁判所に課す必要はないと解される。
結論
判決言渡期日の延期に伴う新期日の告知は、法廷での指定告知で足り、欠席当事者への別途の告知や呼出状の送達は不要である。
実務上の射程
判決言渡期日における当事者の出頭は任意であり(民事訴訟法251条2項参照)、裁判所が職権で期日を変更・延期した場合の告知の要否に関する一般原則を確認するもの。実務上、言渡期日の欠席による延期に際して、追完的な送達手続が不要であることを明確にしている。
事件番号: 昭和30(オ)912 / 裁判年月日: 昭和32年2月26日 / 結論: 棄却
適法な呼出を受けながら当事者双方が判決言渡期日に出頭しない場合に、言渡が延期され次回の期日が指定告知されたときは、その新期日につき告知の効力を生ずる。