原審が民訴第七一条の当事者参加を許さずとする裁判の確定を待たずに本来の対立当事者間の訴訟につき本案判決をなしたことを違法とする主張は、右本案判決における当事者の上告適法の理由とならない。
当事者参加不許の裁判未確定のうちになされた被参加訴訟の本案判決に対する上告申立の適否
民訴法71条,民訴法62条,民訴法393条
判旨
当事者参加(民事訴訟法47条)の申出に対し、その許否の裁判が未確定であっても、参加を申し立てられた側の当事者が当該手続上の違法を上告理由とするには、自己に上訴の利益があることを要する。
問題の所在(論点)
当事者参加の申出がある場合に、その許否の決定が未確定の状態で本案判決を行うことの是非、および当該違法を本案当事者が上告理由として主張できるか(上訴の利益の有無)。
規範
上告理由として他人の訴訟参加手続の違法を主張するためには、単に手続上の不備を指摘するだけでは足りず、その違法が自己の権利または法的地位に影響を及ぼし、不利益をもたらすという「上訴の利益」が認められることを要する。
重要事実
訴外Dが当事者参加(旧民事訴訟法71条、現47条)の申出を行った。原審は、この参加申出に対する許否の裁判が確定する前に、被参加訴訟である本案判決を言い渡した。これに対し、本案の当事者である上告人らが、参加許否の裁判未確定のまま判決をしたことは違法であるとして上告した。
あてはめ
上告人らは、第三者Dの参加手続に関する違法を主張している。しかし、当事者参加の許否が確定しないまま本案判決がなされたとしても、それが直ちに本案当事者である上告人ら自身の権利を侵害したり、訴訟上の地位を不当に害したりするものとは認められない。したがって、本件主張は上告人ら自身にとって何ら上訴の利益のない主張であるといえる。
結論
上告人ら自身に上訴の利益がない主張は、適法な上告理由とはならないため、本件上告は棄却される。
実務上の射程
当事者参加手続において、裁判所が参加の許否を判断せずに本案判決を進めた場合であっても、他の当事者がこれを争うには、自己に実質的な不利益があることを論証する必要がある。形式的な手続違反の主張のみでは不適法とされる可能性が高いことを示唆している。
事件番号: 昭和27(オ)734 / 裁判年月日: 昭和29年1月28日 / 結論: 棄却
本案の裁判に対する上訴と共に訴訟費用の裁判に対し不服が申立てられた場合においても、本案の裁判に対する上訴が理由のないときは、訴訟費用の裁判に対する不服の申立は許されない。