判旨
訴訟費用の裁判に対する不服申立ては、本案の裁判に対する上告の全部又は一部が理由あるときに限り許容される。本案の裁判に対する上告が理由のない場合には、訴訟費用の裁判のみを独立して争うことはできない。
問題の所在(論点)
本案の裁判に対する上告が理由がない場合に、訴訟費用の裁判に対する不服申立てが適法として認められるか。訴訟費用の裁判の独立した上告可能性が問われた。
規範
控訴審のなした訴訟費用の裁判に対しては、本案の裁判に対する上告の全部又は一部が理由あるときに限り、これに対する不服申立てをなし得るものと解すべきである(旧民事訴訟法396条、361条、96条参照)。
重要事実
上告人は、控訴審がなした訴訟費用の裁判について不服を申し立て、上告を受理するよう求めた。しかし、上告人が主張する原判決(本案)の違法事由については、裁判所によって何ら認められなかった。
あてはめ
本件において、原判決(本案部分)には上告人が主張するような違法は見出せない。本案に対する上告が理由のないものである以上、本案の裁判に附随してなされるべき訴訟費用の裁判に対する不服申立ては、独立して適法なものとなり得ない。
結論
訴訟費用の裁判に対する本件上告は不適法であり、排斥されるべきである(上告棄却)。
実務上の射程
訴訟費用の裁判は本案の裁判に従属するものであるため、本案の勝敗が覆らない限り、費用の負担割合のみを理由に上告することはできないという実務上の原則を確立している。答案上は、独立した不服申立ての制限に関する文脈で活用すべき射程である。
事件番号: 昭和35(オ)213 / 裁判年月日: 昭和37年5月29日 / 結論: 棄却
原審が民訴第七一条の当事者参加を許さずとする裁判の確定を待たずに本来の対立当事者間の訴訟につき本案判決をなしたことを違法とする主張は、右本案判決における当事者の上告適法の理由とならない。