判旨
訴訟の目的である権利を譲り受けた者が、旧民事訴訟法73条(現行民事訴訟法50条・47条等)に基づき当事者として参加を申し立てることは、事実審でない上告審においては許されない。
問題の所在(論点)
訴訟の目的となっている権利を譲り受けた者が、上告審において民事訴訟法上の参加(独立当事者参加ないし権利承継による参加)を申し立てることの可否。
規範
訴訟繋属中に訴訟の目的である権利が譲渡されても訴訟手続は中断しない。また、承継人による訴訟参加(権利承継人の参加)は、事実の有無を審理し当事者間の法的地位を確定させる性質上、法律審である上告審において申し立てることはできず、事実審においてのみ許される。
重要事実
被上告人(原告)が上告人(被告)に対し、所有権に基づき建物の明渡しを求めていた訴訟の上告審において、参加人が「被上告人から本件家屋を買い受けた」と主張し、訴訟手続の受継ないし参加を申し出た。本件は、訴訟繋属中に目的物の譲渡が行われた事案であった。
あてはめ
まず、訴訟繋属中に訴訟の目的物が譲渡されたとしても、訴訟手続は当然には中断せず、当然受継の問題は生じない。次に、参加人の申出は実質的に民事訴訟法上の参加申出と解されるところ、上告審は事後審・法律審であり、新たな当事者を関与させて事実関係や権利関係の承継を審理することはその性質に反する。したがって、事実審ではない当裁判所に対する参加申出は不適法といえる。
結論
上告審における参加申出は不適法であり、却下されるべきである。また、本案の上告については、原審の事実認定に違法はなく、理由がないため棄却される。
実務上の射程
上告審が法律審であることに鑑み、当事者参加の時期的限界を画した判例である。承継参加のみならず、独立当事者参加や訴訟引き受けについても、上告審ではなし得ないとする実務上の根拠となる。答案上は、訴訟承継の要件や時期、または上告審の性格を論じる際の実務的帰結として活用する。
事件番号: 昭和28(オ)505 / 裁判年月日: 昭和28年12月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、上告理由が法令の解釈に関する重要な主張を含まないと判断される場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、その上告理由の当否が争われた事案である。具体的な請求内容や原審の判断内容、上告人が主張した具…