適法な呼出を受けながら当事者双方が判決言渡期日に出頭しない場合に、言渡が延期され次回の期日が指定告知されたときは、その新期日につき告知の効力を生ずる。
当事者双方不出頭の場合に延期された判決言渡期日の告知
民訴法207条,民訴法190条2項
判旨
判決言渡期日が適法に告知された後、当該期日に変更の言渡しがなされた場合、その告知の効力は不出頭の当事者にも及び、改めて呼出状を送達する必要はない。また、借家契約の解約正当事由の判断において、借家人の住居の安全確保は考慮要素の一つとなり得る。
問題の所在(論点)
適法に告知された判決言渡期日に当事者が不出頭であった場合に、裁判所がその場でさらに期日を変更・指定したとき、不出頭の当事者に対して改めて呼出状を送達する義務があるか(旧民訴法上の告知の効力の範囲)。
規範
判決言渡期日が当事者双方に対し適法に告知された後、その期日においてさらに他の日時に変更する旨の言渡しをしたときは、民事訴訟法上の規定(旧民訴法207条、190条2項)に基づき、その言渡しは不出頭の当事者に対しても告知の効力を生じる。したがって、新期日について当事者に呼出状を再送達する必要はない。
重要事実
原審において最初の判決言渡期日が延期され、次に指定された期日の呼出状が当事者双方に送達された。しかし、その期日に当事者がいずれも出頭しなかったため、裁判所はさらに期日を延期し、その場で新期日を指定・告知した。新期日にも当事者は出頭しなかったが、原審はそのまま判決を言い渡した。これに対し上告人は、新期日の告知なく判決を言い渡したことは違法であると主張した。
あてはめ
本件では、既に判決言渡期日の呼出状が適法に送達されていた。その指定期日に当事者が出頭しない中でなされた期日変更の言渡しは、不出頭の当事者に対しても法律上当然に告知の効力を生じる。そのため、裁判所が改めて個別の呼出状を送達しなかったとしても、手続上の違法は存在しない。また、実体法上の正当事由に関し、原審が「住居の最小限度の安全保証」を考慮したのは諸事情の一つとしての評価に過ぎず、法令違反はない。
結論
判決言渡期日の変更の言渡しは不出頭の当事者にも告知の効力を有するため、呼出状の再送達を欠いた判決言渡しは適法である。上告棄却。
実務上の射程
判決言渡期日の呼出が一度適法になされた後の、期日変更における「再度の呼出し」の要否に関する判断枠組みを示す。民事訴訟実務において、期日管理の適法性を検討する際の基礎となる判例である。
事件番号: 昭和46(オ)947 / 裁判年月日: 昭和47年3月21日 / 結論: 棄却
適法に告知された判決言渡期日に当事者双方が不出頭の場合において、同期日に判決の言渡を延期し、さらに言渡期日を指定したときは新期日の呼出状を当事者に送達することなく、右新期日に判決を言渡しても違法ではない。