適法に告知された判決言渡期日に当事者双方が不出頭の場合において、同期日に判決の言渡を延期し、さらに言渡期日を指定したときは新期日の呼出状を当事者に送達することなく、右新期日に判決を言渡しても違法ではない。
適法に告知された判決言渡期日に当事者双方が不出頭の場合の延期期日の指定と呼出の要否
民訴法207条,民訴法190条2項
判旨
適法に開かれた口頭弁論期日において一方当事者の不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日が指定告知された場合、当該告知は不出頭の当事者に対しても効力を生じ、その後の言渡期日延期に伴う新たな期日指定についても呼出状の送達を要しない。
問題の所在(論点)
口頭弁論が終結される際の判決言渡期日の指定告知は、その場にいない不出頭の当事者に対しても告知としての効力を有するか。また、その後の判決言渡期日の延期および新期日の指定において、呼出状の送達を欠くことは訴訟手続上の違法となるか。
規範
当事者双方に対し適法な呼出または告知がなされたうえで開かれた口頭弁論期日において、一方当事者が不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知がなされたときは、その告知は当該期日に出頭していなかった当事者に対しても効力を生じる。したがって、裁判所は呼出状の送達を要しない。また、このように指定された判決言渡期日に当事者双方が不出頭であっても、裁判所が当該期日において言渡を延期し、さらに新たな言渡期日を指定した以上、改めて呼出状を送達することなく判決を言い渡しても違法ではない。
重要事実
控訴審において第1回から第4回まで口頭弁論が行われ、第4回期日に弁論が終結された。第4回期日までの各期日については、上告人(控訴人)代理人に対し適法な告知または呼出状の送達があった。しかし、判決言渡期日として指定された第5回期日および再指定された第6回期日について、上告人側は不出頭であった。裁判所は、これらの期日において法廷で次回期日の指定告知をしたが、不出頭の上告人らに対して個別の呼出状の送達は行わずに、第6回期日に判決を言い渡した。
あてはめ
本件では、第4回期日までは適法な呼出等がなされており、当該期日において弁論が終結され判決言渡期日が指定された。この期日指定の告知は、不出頭であった上告人に対しても有効に効力を生じるため、別途の呼出状送達は不要である。また、その後の第5回期日において言渡が延期され第6回期日が指定された際も、一度有効に判決言渡の段階に移行している以上、再度の呼出状送達を欠いたとしても、手続的な違法があるとはいえない。
結論
判決言渡期日の告知は不出頭の当事者にも有効であり、呼出状を送達せずに判決を言い渡した原審の手続に違法はない。
実務上の射程
判決言渡期日の指定および変更における呼出の要否に関する判断基準を示すものである。弁論終結時における期日指定の効力が不出頭者にも及ぶことを確認しており、実務上、判決言渡期日の変更に際して厳格な送達手続を省略できる限界を画定している。答案上は、手続違背を理由とする上告理由の当否を検討する際の論拠として利用できる。
事件番号: 昭和37(オ)528 / 裁判年月日: 昭和38年4月16日 / 結論: 棄却
一 弁論の再開を命ずると否とは裁判所の専権事項であつて、裁判所が当事者の弁論再開の申請を採用しなかつたため、新な証拠の提出ができなかつたとしても、それは証拠申出を不当に制限したものとはならない。 二 当事者の一方が適法な呼出を受けながら口頭弁論期日に出頭しない場合に、裁判所が口頭弁論を終結し、裁判長において判決言渡期日…