後見監督人を選任する審判は、告知により効力を生じ、就職の届出により効力を生ずるものではない。
後見監督人選任審判の効力発生時点。
民法849条,家事審判法9条1項甲類14号,家事審判法13条
判旨
抵当不動産の第三占有者が債務者のために抵当債務を任意に弁済しても、当該占有者は債務者に対する求償権を被担保債権として当該不動産に留置権を取得することはできない。
問題の所在(論点)
抵当不動産の占有者が債務者に代わって抵当債務を任意弁済した場合、その求償権を被担保債権として、当該不動産につき民法295条1項の留置権を主張できるか。すなわち、当該求償権に「物に関して生じた債権」としての牽連性が認められるか。
規範
留置権(民法295条1項)が成立するためには、債権が「その物に関して生じた」という牽連性を要する。抵当不動産の第三占有者が債務者に代わって抵当債務を任意に弁済したことにより取得する求償権は、不動産自体から発生した債権ではなく、弁済という事務管理や不当利得等の法律上の原因に基づき発生する債権にすぎない。したがって、当該求償権に基づき不動産を留置することは認められない。
重要事実
1. 被上告人が所有し、本来の家業である酒造業に不可欠な本件建物等の物件について、上告人らが独立して占有していた。 2. 当該物件には抵当権が設定されており、上告人らは債務者のために当該抵当債務を任意に弁済した。 3. 上告人らは、当該弁済によって生じた債務者に対する求償権に基づき、本件物件について留置権を有すると主張して、建物の明け渡し等を拒んだ。
あてはめ
1. 本件物件は被上告人の家業に不可欠で重要なものであるが、上告人らが弁済した抵当債務は、物件そのものの維持・保存のために支出された費用(必要費・有益費)とは性質を異にする。 2. 任意弁済による求償権は、弁済者の意思決定に基づく対人的な請求権であり、不動産の価値を保存した結果として生じたとしても、不動産そのものから発生した債権とはいえない。 3. したがって、当該求償権は本件物件との間に直接的な牽連性を有しないと解される。
結論
第三占有者が任意に弁済した抵当債務の求償権について留置権の成立は認められない。上告人の留置権主張を排斥した原審の判断は正当である。
実務上の射程
事務管理や不当利得に基づく求償権が「物に関して生じた」といえるかという牽連性の判断基準として活用できる。特に抵当権消滅請求や代位弁済が絡む占有者の権利主張において、必要費・有益費償還請求権(民法299条)に基づく留置権との対比で論述する際に有用な射程を持つ。
事件番号: 昭和31(オ)267 / 裁判年月日: 昭和33年7月18日 / 結論: 棄却
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一 定款に記載のない財産引受は、たとえ会社成立後株主総会が特別決議をもつてこれを承認しても、有効にはならない。 二 財産引受が無効である場合には、会社側だけでなく、譲渡人もその無効を主張することができる。