判旨
地代家賃統制令上の「併用住宅」に該当するためには、事業用部分の床面積制限を満たし、かつ借主自身が居住し、その事業主であることを要する。建物の階下を他人に賃貸し、自らは二階に居住しているに過ぎない場合は、同令の「併用住宅」には当たらない。
問題の所在(論点)
地代家賃統制令23条但書にいう「併用住宅」の意義、および建物の一部を他人に賃貸している場合において同要件を充足するか。
規範
地代家賃統制令23条但書の「併用住宅」の範囲については、同令施行規則11条の改正前後を通じ、①居住部分または事業用部分の床面積が一定以下(改正前は事業用10坪以下、改正後は居住部分30坪以下)であること、②借主自身が居住していること、③借主自身がその事業主であること、の要件を満たす必要がある。
重要事実
上告人(原告)は、本件建物の階下(12坪6合8勺)を営業用部分として第三者(D及びE)に賃貸し、自らは二階部分(10坪3合5勺)に居住していた。上告人は、本件建物が地代家賃統制令上の「併用住宅」に該当することを前提として争ったが、原審はその主張を排斥した。
あてはめ
本件建物についてみると、上告人が主張する態様は、階下部分を他人に賃貸し、自らは二階に居住しているというものである。これは「借主自身がその事業主であること」という要件を欠く。また、面積要件についても、主張自体から改正前後のいずれの基準に照らしても「併用住宅」としての要件を具備しないことが明らかである。したがって、本件建物は同令の適用を受ける併用住宅とは認められない。
結論
本件建物は地代家賃統制令上の「併用住宅」には該当しない。上告人の請求を棄却した原判決に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
事件番号: 昭和37(オ)804 / 裁判年月日: 昭和38年11月15日 / 結論: 棄却
証拠を総合して事実を認定するに際し、証人の供述中に認定事実に反する趣旨の部分が存在していても、その部分を証拠として採用しなかつたことを判文上明示しなければならないものではない。
現在は地代家賃統制令の大部分が廃止されているが、本判決は法規上の概念定義を法令の趣旨や施行規則の変遷から厳格に解釈する姿勢を示す。行政上の規制法規における「居住」や「事業」の主体の同一性要件を判断する際の参考となる。
事件番号: 昭和35(オ)1420 / 裁判年月日: 昭和37年4月26日 / 結論: 破棄差戻
二個の建物が全体として一個の経済上の用途に供せられるように造られ、附加一体の物と認められる場合には、坪数や屋根の形式の相違のみで抵当権の効力の及ぶ範囲を判断すべきでなく、更に特段の事情の存しない限り、右二個の建物を別個独立の物として抵当権の効力が一方にのみ及ぶと判断するのは審理不尽、理由不備といわねばならない。