地代家賃統制令適用除外例としての店舗にあたるか否かは、建物の形式、構造のみによつて決しなければならないものではなく、現実にもつばら居住の用にのみ供されている建物の敷地の地代の額については、同令が適用されるものと解すべきである。
地代家賃統制令適用除外例としての店舗にあたるか否かの判断
地代家賃統制令23条2項4号
判旨
建物の用途判断において形式や構造のみに拘泥せず、実際の利用状況に基づき地代家賃統制令の適用を判断すべきであり、また同令は強行法規であるため合意や任意支払があっても違反を主張できる。
問題の所在(論点)
1. 地代家賃統制令の適用対象となる「建物」の該否を判断する際、建物の構造・形式のみを基準とすべきか。2. 統制令に反する地代の合意・任意支払があった場合、信義則等により同令違反の主張が封じられるか(強行法規性の有無)。
規範
1. 建物が地代家賃統制令の適用対象外(店舗等)にあたるか否かは、建物の形式や構造のみによって決定されるものではなく、実際の利用実態に基づいて判断される。2. 地代家賃統制令の地代等に関する規定は強行法規であり、当事者が統制額を超える地代を合意し、かつ任意に支払ったとしても、同令違反を主張することは妨げられない。
重要事実
上告人は、昭和41年当時、本件土地上の建物が店舗(統制令の適用外)にあたると主張したが、原審は、当該建物が専ら居住の用(統制令の適用対象)に供されていた事実を認定した。また、当事者間で統制額を超える地代の合意があり、実際に支払われていたという事実関係が存在した。
事件番号: 昭和39(オ)754 / 裁判年月日: 昭和41年5月17日 / 結論: 棄却
臨時農地等管理令第七条の二及び第五条の各規定は取締規定であり、右各条所定の地方長官の許可は農地の賃貸借の有効要件ではない。
あてはめ
1. 本件建物は形式・構造がどうあれ、実態として「もっぱら居住の用にのみ供されていた」のであるから、地代家賃統制令が適用される居住用建物と解するのが相当である。2. 統制令の規定は強行法規としての性質を有するため、私的自治による合意や履行の事実があったとしても、法が定める統制額を超える部分は無効であり、その無効(違反)を主張することは許容される。
結論
本件建物には地代家賃統制令が適用され、統制額を超える合意や支払があったとしても、同令違反の主張は認められる。したがって、上告を棄却する。
実務上の射程
統制法規の強行法規性を強調した判例であり、当事者の主観的合意や形式的構造よりも「実際の利用実態」という客観的事実を重視する判断枠組みを示している。地代家賃統制令自体は現在失効しているが、他の強行法規(借地借家法等)の解釈や、形式と実態が乖離する場合の法適用判断において参照されるべき射程を有する。
事件番号: 昭和34(オ)11 / 裁判年月日: 昭和35年10月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】戦時罹災土地物件令4条1項に基づく敷地使用権が認められるためには、建物滅失の時から2か月以内に現実に使用を開始した事実が必要であり、これがない以上、罹災都市借地借家臨時処理法上の賃借申出権も発生しない。 第1 事案の概要:上告人の妹Dは、昭和14年に本件罹災家屋を賃借し、上告人と共同して旅館業を営…
事件番号: 昭和27(オ)1059 / 裁判年月日: 昭和28年5月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由が実質的に法令違反や事実認定の不当を主張するものに過ぎず、民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告事由に該当しないとして棄却された事例である。 第1 事案の概要:上告人は、原判決における憲法違反等を主張して上告を提起した。また、原審の口頭弁論に関与した裁判官の署名捺印の有無に…