判旨
行政処分の瑕疵が当該処分を当然に無効とするためには、その瑕疵が重大かつ明白であることを要する。課税対象の誤認に基づく賦課処分であっても、その誤認が直ちに明白かつ重大なものとは認められない場合は、当該処分は無効とはならない。
問題の所在(論点)
課税対象の事実誤認という違法事由が存在する場合に、当該賦課処分が当然無効となるか。公定力の例外としての無効事由の範囲が問題となる。
規範
行政処分が当然無効とされるためには、原則として、処分に重大な法規違反が存在し、かつ、その瑕疵が外形上客観的に明白であることを要する。
重要事実
被上告人(行政庁)は、本件事務机の移出価格が2,500円以上であると判断し、上告人に対し物品税を賦課した。しかし、実際には課税対象の価格認定に誤認があり、当該賦課処分は違法なものであった。
あてはめ
本件における課税対象の認定ミスは、課税要件の根幹に関わるため「違法」ではある。しかし、原審が認定した事実関係に照らせば、その価格誤認という瑕疵が、処分の外形から一見して明らかなほど「明白」であったり、法秩序の安定性を害するほど「重大」なものとは認められない。
結論
本件賦課処分には違法があるものの、無効とするほどの重大かつ明白な瑕疵とは認められないため、上告を棄却する。
実務上の射程
行政処分の効力を争う際、出訴期間経過後に無効主張を行う場合の判断枠組みとして重要である。課税処分においては、処分の安定性と納税者の権利救済の調和から「重大明白説」が維持されていることを示す。実務上は、単なる事実認定の誤りでは無効とまでは評価されにくいことを示唆している。
事件番号: 昭和35(オ)759 / 裁判年月日: 昭和36年3月7日 / 結論: 棄却
行政処分の瑕疵が明白であるということは、処分要件の存在を肯定する処分庁の認定の誤認であることが、処分成立の当初から、外形上、客観的に明白であることをさすものと解すべきである。
事件番号: 昭和32(オ)1158 / 裁判年月日: 昭和36年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分に法令の定める除外事由に該当する土地を買収したという違法があっても、直ちに当然無効となるわけではなく、その瑕疵が重大かつ明白である場合に限り無効となる。 第1 事案の概要:本件土地は、客観的には旧自創法5条5号に該当し、本来であれば買収から除外されるべき土地であった。しかし、処分庁は同号の…
事件番号: 昭和30(オ)862 / 裁判年月日: 昭和33年3月28日 / 結論: 棄却
パチンコ球遊器は、物品税法第一条にいう遊戯具にあたる。
事件番号: 昭和41(行ツ)52 / 裁判年月日: 昭和44年2月6日 / 結論: 棄却
昭和二五年法律第七二号による改正前の旧法人税法(昭和二二年法律第二八号)が法人の超過所得算定の基礎とする「資本金額」の計算上、同法一六条による積立金額から除外される「法人税として納付すべき金額」には、当該事業年度の期首において客観的に成立していたと考えられる前事業年度の所得に関する更正処分により追徴を受けた不足税額は含…
事件番号: 昭和37(オ)790 / 裁判年月日: 昭和39年2月18日 / 結論: 破棄自判
無申告加算税を課徴すべき場合に、過少申告加算税を課しても、その課税処分を無効とはいえない。