パチンコ球遊器は、物品税法第一条にいう遊戯具にあたる。
パチンコ球遊器は、物品税法第一条にいう遊戯具にあたるか
物品税法1条
判旨
通達に基づく課税であっても、その通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである限り、当該課税処分は法の根拠に基づくものとして有効である。また、パチンコ球遊器は、物品税法上の「遊戯具」に該当すると解するのが相当である。
問題の所在(論点)
通達に基づいて行われた課税処分の法的効力、および物品税法上の「遊戯具」に営業用パチンコ球遊器が含まれるか否か。
規範
行政庁の通達は本来、組織内部の指示に過ぎないが、課税処分が通達を機縁として行われた場合であっても、通達の内容が法規の正しい解釈に合致するものであるときは、当該処分は法規という客観的根拠に基づくものとして適法となる。また、物品税法上の課税品目の解釈にあたっては、制定当時の沿革のみならず、その後の改正や対象物品の社会的性質、社会観念に照らして判断すべきである。
重要事実
課税当局がパチンコ球遊器を物品税法上の「遊戯具」として課税対象とする旨の通達を出し、これに基づき上告人らに対して物品税の賦課処分を行った。上告人らは、パチンコ球遊器は営業用(生産的消費財)であり、本来の「遊戯具」には当たらないこと、および法律ではなく通達に基づく課税は憲法(租税法律主義)に違反し無効であることを主張して、処分の取消しを求めた。
あてはめ
物品税法の沿革上、当初は消費税として出発したものの、その後は生活必需品や資本的消費財も課税対象に加えられてきた。パチンコ球遊器も、社会観念上は遊戯具とされており、自家用消費財としての性格を全く持たないとはいえない。したがって、本件通達の内容は「遊戯具」の正しい解釈に合致している。通達の内容が法の定めに合致する以上、本件課税は通達ではなく法に基づいた処分と評価できる。
結論
本件賦課処分は適法であり、当然無効とはいえない。上告を棄却する。
実務上の射程
租税法律主義に関する重要判例。通達課税が争われる事案において、通達が単なる解釈の指針にとどまり、実質的に法の範囲内にあるか否かを論ずる際の根拠となる。答案上は、行政立法の限界や、通達の法的性質、租税法律主義(憲法84条)の文脈で「通達の内容が法の正しい解釈に合致していれば、法に基づく処分として有効」という法理を引用する形で用いる。
事件番号: 昭和32(オ)258 / 裁判年月日: 昭和34年7月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分の瑕疵が当該処分を当然に無効とするためには、その瑕疵が重大かつ明白であることを要する。課税対象の誤認に基づく賦課処分であっても、その誤認が直ちに明白かつ重大なものとは認められない場合は、当該処分は無効とはならない。 第1 事案の概要:被上告人(行政庁)は、本件事務机の移出価格が2,500円…
事件番号: 昭和53(行ツ)64 / 裁判年月日: 昭和54年1月30日 / 結論: 棄却
製造場から移出される時において明らかにされた小売価格が現実の小売価格より高いものであつた場合でも、物品税法一三条の適用が否定されると解することはできない。