物品税における国庫出納金等端数計算法第五条にいわゆる課税標準額とは原則として毎月販売または移出した物品の価格の合計額につき決定した総額を指すものと解するを相当とする。
物品税における国庫出納金等端数計算法第五条にいわゆる課税標準額
物品税法8条,国庫出納金等端数計算法5条
判旨
物品税における課税標準額とは、物品税法(昭和28年改正前)の規定の趣旨に照らし、原則として毎月販売または移出した物品の価格の合計額につき決定した総額を指すと解するのが相当である。
問題の所在(論点)
旧物品税法における課税標準額の意義が問題となった。具体的には、個々の物品の価格を基準とするのか、あるいは一定期間(毎月)の販売・移出価格の合計額を基準とするのかという点が論点となった。
規範
物品税法(昭和28年改正前)8条および同条末項規定の趣旨によれば、課税標準額とは、原則として毎月販売または移出した物品の価格の合計額につき決定した総額を指すものと解すべきである。
重要事実
上告人は、物品税における「課税標準額」の解釈および計算法に関し、原判決の判示には法令違反があるとして上告を申し立てた。本件は、昭和28年法律第41号による改正前の物品税法が適用される事案であった。
あてはめ
最高裁判所は、物品税法8条(特にその末項)の規定の趣旨を重視した。同条項の趣旨を鑑みれば、個別の取引単位ではなく、課税期間として想定される「毎月」の販売または移出に係る物品価格の合計をもって総額を決定することが、税法上の課税標準として正当であると判断した。したがって、原判決がこの解釈に基づいて下した判示に違法は認められないとした。
結論
物品税における課税標準額は、毎月販売または移出した物品価格の合計総額を指す。したがって、原判決の判断は正当であり、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、租税法における課税標準の算定単位に関する判断を示したものである。文言上必ずしも一義的でない「課税標準額」の定義について、関連条項の趣旨から期間合計額(総額)であると解釈する手法は、他の租税科目の解釈においても、趣旨解釈・体系的解釈の例として参照し得る。
事件番号: 昭和26(あ)2334 / 裁判年月日: 昭和31年5月10日 / 結論: その他
一 物品税の課税標準価格は、通常の取引形態および取引事情における価格、したがつて適正な市場価格または取引価格でなければならないものであつて、統制額の定めのある物品についてはその統制額がこれにあたる。 二 物品税は月を標準として申告、課税、徴収するいわゆる月税であつて、その逋脱罪もまた月を標準として罪数を定めるべきである…