蓄音器、ラジオ聴取機の部分品を材料として蓄音器、ラジオ聴取機を製造する者は、物品税法第一二条に規定する原料免税の方法をとらないかぎり、製造場より移出される当該完成品の価格に応じ、同法所定の物品税を納付する義務を免れない。
蓄音器、ラジオ聴取機の部分品を材料として蓄音器、ラジオ聴取機を製造する者と物品税の納付義務
物品税法4条,物品税法12条,物品税法施行規則22条の2,物品税施行規則24条
判旨
物品税の課税済部品を用いて製品を組み立てた場合であっても、当該部品が納税済であることを証明したときは、完成品の税額から部品の既納税額を控除して課税されるため、二重課税の違憲の問題は生じない。
問題の所在(論点)
課税済みの部品を使用して製品を組み立てた場合に、完成品全体に対して重ねて課税することが二重課税として違法ないし違憲となるか。
規範
課税済みの部品を用いて製品を製造・組立した場合、当該部品が納税済みであることの証明がなされれば、完成品に対する課税額から当該部品に係る既納税額相当分を控除して課税を行う運用が認められる。
重要事実
被告人が蓄音機およびラジオ聴取機を製造・販売するにあたり、既に物品税が課税されている部品を使用して組み立てた。これに対し、完成品全体に対して課税されることが二重課税にあたり、憲法に違反するのではないかが争われた。
あてはめ
実務上の取扱として、部品が納税済であることを証明した場合には、完成品の税額から部品相当の税額を控除する仕組みが存在する。本件においても、この控除手続を経ることで、同一の課税対象に対して重ねて全額を課税するという不利益は回避可能である。したがって、所論の前提とするような過剰な課税は生じない。
結論
本件の課税および運用は適法であり、二重課税を理由とする違憲の主張は当たらない。
実務上の射程
物品税(現行の消費税等に通ずる消費課税)における二重課税回避の仕組みと合憲性に関する判断。税法上の控除規定や運用の存在が、二重課税の主張を排斥する論拠となることを示している。
事件番号: 昭和30(あ)3751 / 裁判年月日: 昭和32年12月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】物品税法施行規則の別表に掲げられた課税物品の定義に関し、蓄音器箱及びラジオ聴取機箱が同規則の定める「蓄音器部分品」及び「ラジオ聴取機部分品」に該当すると判断した。 第1 事案の概要:被告人が製造・販売等に関与したと思われる「蓄音器箱」及び「ラジオ聴取機箱」について、昭和25年政令第360号による改…