物品税法にいう移出とは、課税物品を製造場から他の場所に移動させる事実行為をいうのであり、売買、贈与等の法律行為を伴う場合に限られないものと解するを相当とする。
物品税法にいう移出の意義。
物品税法4条,物品税法8条1項
判旨
物品税法にいう「移出」とは、課税物品を製造場から他の場所に移動させる事実行為を指し、売買や贈与等の法律行為を伴う場合に限られない。
問題の所在(論点)
旧物品税法における課税要件である「移出」の意義について、売買や贈与といった法律行為を伴う必要があるか。
規範
物品税法における「移出」の定義は、課税物品をその製造場から物理的に他の場所へ移動させるという事実行為それ自体を意味する。したがって、その移動の動機や原因となる売買、贈与、委託販売等の法律上の原因の有無、あるいは所有権移転の有無は、「移出」の成否を左右するものではない。
重要事実
被告人が物品税の課税対象となる物品を製造場から他の場所に移動させた行為について、物品税法上の「移出」に該当するかが争われた。弁護人は、当該移動が売買等の法律行為を伴わないものであったため、「移出」には当たらない旨を主張して上告した。
あてはめ
本件において被告人が行った行為は、課税物品を製造場から他の場所へと物理的に移動させるものであった。物品税法の趣旨に照らせば、同法にいう「移出」とは事実行為を指すと解するのが相当である。したがって、被告人が主張するような売買や贈与等の法律行為を伴わない移動であっても、製造場から外部へ搬出された以上は「移出」に該当すると評価される。
結論
物品税法上の「移出」は法律行為を伴う場合に限られない。したがって、原判決の判断は正当であり、本件上告は棄却される。
実務上の射程
本判決は、租税法における用語の解釈において、私法上の概念(法律行為)に拘束されず、課税の目的や対象物の物理的動態に着目する考え方を示したものといえる。答案作成上は、文言の多義性が問題となる場合に、法の趣旨から「事実行為」として広く解釈する論法として活用できる。
事件番号: 昭和38(あ)1529 / 裁判年月日: 昭和39年6月18日 / 結論: 棄却
一 物品税法施行規則(昭和三五年政令第二二五号による改正前のもの)第一一条ノ六は、物品税法(昭和三七年法律第四八号による改正前のもの)第三条第三項の委任の範囲を逸脱したものとは認められない。 二 物品税法施行規則(右改正前のもの)第一条は、物品税法(右改正前のもの)第一条第一項の委任に基づき同条項で列挙している物品を、…