判旨
行政処分執行停止申請を却下した決定に対しては通常の抗告が可能であり、管轄裁判所は地方裁判所の所在地を管轄する高等裁判所である。
問題の所在(論点)
地方裁判所による行政処分執行停止申請の却下決定に対し、どの裁判所に抗告すべきか(管轄裁判所の特定)。
規範
地方裁判所がした行政処分執行停止申請却下決定等の裁判に対しては、特別の定めがない限り、民事訴訟法等の規定に準じて通常の抗告を申し立てることができる。その管轄は、当該地方裁判所を管轄する高等裁判所に属する。
重要事実
抗告人らは、岡山地方裁判所が昭和29年10月22日にした行政処分執行停止申請の却下決定に対し、最高裁判所へ抗告状を提出した。しかし、本件決定は地方裁判所が下した第一審の裁判であり、不服申立ての性質は通常の抗告に該当するものであった。
あてはめ
本件における岡山地方裁判所の決定は、通常の抗告をなし得る裁判である。したがって、民事訴訟の原則に従い、岡山地方裁判所の所在地を管轄する広島高等裁判所が抗告審としての管轄権を有する。最高裁判所は直接の抗告先とはならないため、管轄違いとして移送の措置を執るべきである。
結論
本件抗告は管轄権を有する広島高等裁判所に移送されるべきである。
実務上の射程
行政事件における執行停止等の決定に対する不服申立ての管轄を明示したものであり、裁判所の管轄誤りがある場合には最高裁判所が自ら受理せず、適法な管轄裁判所へ移送する実務上の運用を裏付けるものである。
事件番号: 昭和29(ク)180 / 裁判年月日: 昭和29年9月7日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上告(特別抗告)の提起は、法律の規定により原裁判所に抗告状を提出すべきものであり、上告裁判所に直接提出された場合には、適法な提起場所である原裁判所へ移送すべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、広島高等裁判所が下した強制執行停止の仮処分決定に対する抗告棄却決定に対し、不服を申し立てるため、昭和2…
事件番号: 昭和29(ク)201 / 裁判年月日: 昭和29年10月20日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上訴提起は、法律の規定に基づき、その判断を仰ぐべき裁判所の原裁判所に対してなされるべきであり、提出先を誤った場合は正当な提出先へ移送されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、大阪高等裁判所が下した訴状却下命令に対する抗告棄却決定を不服として、最高裁判所に直接抗告状を提出した。 第2 問題の所…
事件番号: 昭和29(ク)210 / 裁判年月日: 昭和29年11月24日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関し裁判権を有するのは、法律により特に最高裁判所への抗告が許容された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断が含まれる場合にのみ適法となる。本件のように憲法問題を含まない不服申立ては、形式が異議申立てであっても抗告であっても、不適法として却下される。 第1 事案の概要:申立…
事件番号: 昭和29(ク)184 / 裁判年月日: 昭和29年8月25日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告の申立ては、上告の例に従い、原裁判所である高等裁判所に抗告状を提出して行わなければならない。 第1 事案の概要:抗告人は、福岡高等裁判所が下した訴状却下命令に対する抗告棄却決定を不服とし、最高裁判所に対して抗告状(書面上の題名は「上告状」)を提出した。しかし、当該抗告状は…
事件番号: 昭和34(ク)142 / 裁判年月日: 昭和34年5月18日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】行政代執行の執行停止申請を却下した決定に対しては、民事訴訟法の規定に基づき通常抗告を行うことができるため、最高裁判所に対する特別抗告を提起することはできない。 第1 事案の概要:抗告人らは、長崎地方裁判所が行政代執行の執行停止申立事件について下した却下決定に対し、最高裁判所へ特別抗告状を提出した。…