判旨
憲法12条違反を主張しても、その実質が単なる民事訴訟法違反の主張に帰する場合には、特別上告の適法な理由とはならない。
問題の所在(論点)
憲法違反を名目とする主張が、実質的に単なる訴訟法違反の主張である場合に、民事訴訟法409条の3(現行336条1項)に規定する特別上告の理由として適法か。
規範
特別上告において、形式的に憲法違反(憲法12条等)を主張していても、その主張の実質が単なる法令違反(訴訟法違反)を指摘するものにすぎない場合には、民事訴訟法上の適法な上告理由には該当しない。
重要事実
上告人は、原審の判断に対し憲法12条違反を理由として特別上告を提起した。しかし、その主張の具体的内容を検討すると、訴訟手続き上の不備や法令適用の誤りを指摘するにとどまっていた。
あてはめ
上告人の論旨は、表面上は憲法12条違反を掲げている。しかし、その主張の具体的内実は、原判決の訴訟手続における不備を非難するものであり、実質的には単なる訴訟法違反の主張に帰する。したがって、憲法解釈の誤りや憲法違反を直接の問題とするものではないと評価される。
結論
本件特別上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
特別上告(現行民訴法336条1項)の門前払いの論理を示す。実務上、憲法違反の主張が単なる法令違反・事実誤認の仮装である場合には不適法とされる。答案では、特別上告の適法性を論じる際の却下・棄却の根拠として利用する。
事件番号: 昭和28(オ)242 / 裁判年月日: 昭和28年7月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、違憲主張の実質が事実認定の非難や法令違反の主張に留まる場合は、上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:上告人が違憲を理由として上告を申し立てた事案。しかし、その主張の具体的な内容は、原審による証拠の取捨選択や事実認定に対する不服申し…