判旨
最高裁判所への上告において、事実審で主張しなかった事実を前提とする法令違反の主張は、上告理由として認められない。
問題の所在(論点)
事実審で主張していなかった事実を前提とした法令違反の主張が、民事上告における適法な上告理由(当時の特例法1条各号、あるいは法令の解釈に関する重要な主張)として認められるか。
規範
最高裁判所における民事上告において、事実審で主張しなかった新たな事実を前提として法令違反を主張することは、上告理由を制限する特例法等の趣旨に照らし、適法な上告理由(法令の解釈に関する重要な主張等)には該当しない。
重要事実
上告人らは、原審(事実審)において主張していなかった事実を前提として、本件における法令違反を主張し、最高裁判所へ上告を申し立てた。なお、具体的な事案の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
上告人らの主張は、事実審で一度も審理されていない事実を土台とするものである。これは、法律審としての最高裁判所の性格に反し、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」が定める各号の要件を満たさず、かつ「法令の解釈に関する重要な主張」を含まないものと評価される。
結論
本件上告は不適法または理由がないものとして、民事訴訟法に基づき棄却される。
実務上の射程
法律審である最高裁に対し、新たな事実を提出して争うことはできないという「事実審理の終結」の原則を確認するものである。司法試験においては、民事訴訟法上の上告受理申立てや上告理由の検討において、基礎となる事実が原判決の確定した事実に拘束される(民訴法321条1項)という原則の文脈で使用される。
事件番号: 昭和27(オ)622 / 裁判年月日: 昭和28年11月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当せず、また法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が原判決の違憲等を主張して上告を提起したが、その主張内容は実質的に理由のない法律論および事実誤認論に基づくものであった。事案の…