判旨
上告理由が原審の事実認定を非難するにすぎない場合は、判決に影響を及ぼす明らかな法令の違背とは認められず、上告を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
民事上告において、適法な事実認定に対する非難が「判決に影響を及ぼす明らかな法令の違背」に該当するか。
規範
上告理由が単なる事実誤認の主張にとどまり、原判決に影響を及ぼす明らかな法令の違背を基礎付けるものではない場合、民事訴訟法(昭和23年法律第135号)401条に基づき、上告を棄却する。
重要事実
上告人は、原審が行った事実認定には誤りがあるとして上告を申し立てたが、具体的な法令の解釈誤りや手続上の違法については特段の主張がなされなかった(詳細は判決文からは不明)。
あてはめ
上告人の主張は、原審が適法に行った事実認定を非難するにとどまっている。これは事実認定の当否を争うものであり、判決の前提となる法令適用の誤り(法令違背)を指摘するものとは認められない。したがって、適法な上告理由を備えていないといえる。
結論
本件上告を棄却する。
実務上の射程
事実認定の当否は原則として上告理由とならないという民事訴訟法の基本原則を確認するものである。答案上は、上告審の事後審的性格や法令審としての性質を論じる際の根拠として機能する。
事件番号: 昭和30(オ)74 / 裁判年月日: 昭和31年10月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決文が極めて簡潔であるため、実体法上の判断は示されていない。民事訴訟法上の上告理由(認定非難等)に該当しないとして上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:上告人が原判決に不服を申し立てて上告したが、その上告理由の第一点は事実認定の非難、第二点は原判決の判示内容を誤解した上での主張であった(…