判旨
上告の理由が原審の事実認定や証拠の取捨選択を非難するものにすぎない場合、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を主張するものとは認められない。
問題の所在(論点)
事実認定の不当を理由とする主張が、民事訴訟法上の適法な上告理由(判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背)に該当するか。
規範
上告審において原判決を破棄するためには、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背があることを要する。事実認定の適否や証拠の取捨選択は、原則として原審の専権に属する事項である。
重要事実
上告人は、原審が行った証拠の取捨および事実の認定に不服があるとして上告を申し立てた。
あてはめ
上告人の主張は、原審が適法に行った証拠の取捨および事実の認定を非難するにとどまる。このような主張は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違背を具体的に指摘するものとはいえない。
結論
本件上告には適法な上告理由がないため、棄却される。
実務上の射程
事実誤認は直ちに上告理由とはならず、証拠法則違反や論理則・経験則違反が「法令の違背」に至るレベルでなければならないことを示す実務上の基本原則である。
事件番号: 昭和33(オ)305 / 裁判年月日: 昭和33年12月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原判決の証拠取捨や事実認定の非難に帰する場合、それは適法な上告理由とは認められない。 第1 事案の概要:上告人らは、原判決が行った証拠の取捨、判断、および事実の認定に誤りがあるとして上告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):事実認定や証拠の取捨選択に対する不服申し立てが、適法な上告理…