判旨
事実審がその裁量権の範囲内で行った証拠の取捨判断および事実認定は、適法である限り、上告審においてこれを争うことはできない。
問題の所在(論点)
事実審の自由心証に基づく証拠の取捨判断および事実認定を、上告審において争うことの是非(民事訴訟法における上告理由の適否)。
規範
証拠の取捨選択および事実認定は事実審の専権に属する事項であり、それが裁量権の範囲内で適法に行われている限り、上告審における適法な不服申立ての理由とはならない。
重要事実
上告人が、原審(事実審)が行った証拠の取捨判断およびその結果としての事実認定を不服として上告を申し立てた事案である。判決文からは具体的な事件の背景や紛争の内容、対象となった証拠の詳細は不明である。
あてはめ
論旨は事実審の証拠の取捨判断を論難し、ひいてはその事実認定を非難するものであるが、これらは事実審の裁量権の範囲内において適法になされたものであると解される。したがって、これを不服とする主張は、法律上の誤りを指摘すべき上告理由として認められない。
結論
本件上告は棄却される。上告人が主張する事由は、適法な上告理由に当たらない。
実務上の射程
実務上、事実認定の是非を争う「事実誤認」の主張は、原則として法律審である最高裁判所への適法な上告理由とならないことを示す典型例。答案上は、事実認定における証拠評価の合理性が問題となる場面で、自由心証主義の限界(論理則・経験則違反)がない限り事実審の判断が尊重されることを説明する際に参照する。
事件番号: 昭和25(オ)162 / 裁判年月日: 昭和26年12月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において事実誤認を主張することは、民事訴訟法上の適法な上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:上告人が、原判決には事実誤認がある旨を主張して上告を提起した事案である。 第2 問題の所在(論点):事実誤認の主張が、民事訴訟法(当時の旧法401条、現行法312条等に対応)に照らして適法な上告理…