判旨
上告審において原審の事実認定を争うことは、それが原審の専権に属する証拠の取捨および事実の認定に対する非難にすぎない場合、上告理由として認められない。
問題の所在(論点)
事実審(原審)が行った証拠の取捨および事実認定の妥当性を、上告審において争うことが適法な上告理由となるか。
規範
事実の認定およびそのための証拠の取捨選択は、原則として事実審裁判所の自由な裁量(専権)に属する。したがって、適法な証拠調べを経てなされた事実認定を、単なる事実誤認の主張をもって上告審で争うことはできない。
重要事実
上告人が、原審が認定した事実およびその基礎となった証拠の取捨選択の不当を理由として、最高裁判所に上告を提起した事案。判決文中に具体的な紛争の背景事実は記載されていない。
あてはめ
上告人の主張は、結局のところ原審の専権に属する証拠の取捨および事実の認定を非難するにとどまっている。原審の事案処理において、証拠法則に反するような違法や、経験則・論理則に反する特段の事情は認められず、原審の事案認定は是認できる。
結論
本件上告には適法な上告理由がないため、棄却される。
実務上の射程
民事訴訟法上の上告理由(法律審の性質)を説明する際、事実認定が原則として事実審の専権事項であることを示す基礎的な判例として活用できる。
事件番号: 昭和33(オ)81 / 裁判年月日: 昭和33年9月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において原審の証拠取捨や事実認定の適法性を争うことは、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違背を主張するものとは認められない限り、上告理由とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が証人D、E、Fの各証言に基づいて行った事実認定に誤りがあるとし、その証拠取捨の不当性を主張して上告を…