判旨
旧商標法9条1項前段(現行法に相当する規定を含む)の規定に基づき標章を継続使用する場合には、商標権者の同意や通知を要しない。
問題の所在(論点)
旧商標法9条1項前段(現行法の継続的使用権に類する規定)に基づく標章の継続使用にあたり、商標権者等に対する同意や通知が必要となるか。
規範
旧商標法9条1項前段に基づき、特定の標章を継続して使用する権利が認められる場合、その使用に際して商標権者に対する事前の通知や、商標権者からの同意を得る必要はない。
重要事実
上告人は、商標権の共有持分の譲渡等に関連し、標章の継続使用(旧商標法9条1項前段)にあたって同意や通知が必要であると主張して争ったが、原審はこれを否定した。判決文からは事案の具体的な背景(どの標章がどのような経緯で継続使用されるに至ったか等)の詳細は不明である。
あてはめ
旧商標法9条1項前段は、一定の要件を満たす場合に法律上当然に継続使用を認める趣旨である。商標権の持分譲渡(旧法12条4項)とは異なり、同条項に基づく使用は法定の権利行使としての性質を有するため、私的な合意(同意)や手続的な通知を要件とせずに行い得ると解される。
結論
標章を継続使用するにあたり、同意や通知は不要である。
実務上の射程
先使用権や継続的使用権の行使において、相手方の承諾や通知が対抗要件または行使要件となるかという論点に対し、否定的に解する根拠として用いることができる。ただし、本判決は旧法下のものであるため、現行法における先使用権(商標法32条)等の要件充足性とは別に整理する必要がある。
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