判旨
罹災都市借地借家臨時処理法2条の適用範囲は、土地所有者が自ら家屋を建設して賃貸した場合に限定されず、広く適用されるべきである。また、仮処分における保証金額の多寡は、特例法上の重要な論点には該当せず、裁判所の裁量に委ねられる。
問題の所在(論点)
1. 罹災都市借地借家臨時処理法2条の適用範囲は、土地所有者が自ら家屋を建設して賃貸した場合に限定されるか。2. 仮処分裁判所が決定した保証金額の適否が、上告審において審理すべき「法令の解釈に関する重要な主張」に該当するか。
規範
罹災都市借地借家臨時処理法2条の解釈について、同条は「土地所有者が家屋を建設しこれを賃貸した場合」という特定の類型のみを規定したものではなく、罹災都市における借地・借家関係の円滑な処理を目的として、より広く解釈されるべきである。また、民事保全手続における保証金の額は、裁判所の自由な裁量によって定められる事項である。
重要事実
上告人は、罹災都市借地借家臨時処理法2条の適用範囲について、土地所有者が自ら家屋を建設して賃貸した場合に限定されるべきであると主張した。また、本件仮処分決定において定められた保証金額が不当に多額であるとして、原判決の判断を争い、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき上告した。
あてはめ
1. 罹災法2条の解釈について、原判決は土地所有者が自ら建設・賃貸した場合に限定されないとしており、この説示は正当として是認できる。2. 保証金額については、仮処分裁判所がその自由な裁量(意見)によって定めるべき性質のものである。原審が第1審の定めた金額を相当と認めた以上、その多寡自体は原判決の主文を左右するような法令解釈上の重要問題とはいえない。
結論
本件上告は、特例法1号乃至3号のいずれにも該当せず、また法令の解釈に関する重要な主張を含むものとも認められないため、棄却される。
実務上の射程
罹災都市借地借家臨時処理法の適用範囲を限定的に解さない姿勢を示した点に実務上の意義がある。また、民事保全における保証金額の決定は、裁判所の広範な裁量に属し、原則として上告理由となる「法令の解釈に関する重要な主張」には当たらないことを確認する際に参照すべきである。
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