判旨
上告理由が原審の確定していない事実を前提とするものである場合、その主張は理由がないものとして棄却される。
問題の所在(論点)
上告審において、原審で認定されていない事実を前提として原判決の違法を主張することが、有効な上告理由となり得るか(民事訴訟法上の上告理由の成否)。
規範
上告審は事後審であり、原則として原判決が確定した事実を基礎として、憲法違反や重大な法令違反の有無を判断するものである。したがって、原判決の認定に沿わない事実を前提として原判決の違法を主張することは、上告理由として適法なものとは認められない。
重要事実
上告人は、本件土地(a番地)が国に買収されたにもかかわらず、原審が本件肥料溜の買収の事実を認めなかったことは違法であると主張した。しかし、原判決においては、当該土地が買収されたという事実は確定されていなかった。
あてはめ
上告人は、土地が買収されたという事実を前提に議論を展開しているが、この事実は原判決において確定されていない。原判決に沿わない独自の事実認識を前提とする非難は、判決の違法性を導く論理的根拠を欠くものといえる。
結論
本件上告は理由がないものとして棄却される。
実務上の射程
事実認定に関する不服は、本来、事実誤認を理由とする控訴審で争うべき事柄である。上告審においては、原審が認定した事実を前提とした法規の適用誤り等を突く必要があり、事実認定そのものを争う主張は門前払いされる可能性が高いことを示唆している。
事件番号: 昭和26(オ)742 / 裁判年月日: 昭和28年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原判決の認定に副わない事実を前提とする非難、または原審の専権に属する証拠の取捨判断の非難に帰する場合、それは適法な上告理由とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が認定した事実関係に異議を唱え、かつ原審が行った証拠の取捨選択および判断を不当として、上告を提起した(事案の具体的な…
事件番号: 昭和28(オ)633 / 裁判年月日: 昭和28年10月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が更正決定によるべき事項や事実認定の非難にすぎず、法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の不服を申し立てて上告したが、その主張内容は更正決定によって解決されるべき事項、または原審の事実認定を非難するものであった。 第2 問題の所在…