判旨
民事上告において、原審における証拠の採否や事実認定を非難するにすぎない主張は、上告の適法な理由(上告受理の要件)に該当しない。
問題の所在(論点)
事実認定の当否や証拠の採否に関する主張が、民事上告における適法な上告理由(特に法令解釈に関する重要な主張)として認められるか。
規範
最高裁判所における民事上告において、原判決の証拠採否や事実認定を争う主張は、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和25年法律第138号)1号ないし3号、または「法令の解釈に関する重要な主張を含むもの」のいずれにも該当しない。
重要事実
上告人が、原審における裁判所の証拠の取り捨てや、それに基づく事実認定を不当として争い、最高裁判所に対し上告を申し立てた事案。
あてはめ
上告代理人の主張内容は、いずれも原審の証拠の採否や事実認定を非難するにとどまっている。これは、上告特例法に規定される各号の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含むとも認められないため、上告理由としての適格性を欠いている。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟における事実認定は専ら事実審(第一審・第二審)の専権事項であり、単なる事実誤認の主張は上告理由にならないという実務上の大原則を確認するものである。答案上は、上告受理申立ての要件論や、法律審としての最高裁の権限を説明する際の根拠として位置づけられる。
事件番号: 昭和28(オ)17 / 裁判年月日: 昭和28年7月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において初めて主張された、行為が会社の目的の範囲外である旨の事由は、上告理由として認められない。 第1 事案の概要:上告人である会社が、相手方との間で行った売買契約について、当該行為が自社の目的の範囲外の行為であり無効である旨を主張して上告した。しかし、この「目的外の行為」であるという点につ…