判旨
上告審において初めて主張された、行為が会社の目的の範囲外である旨の事由は、上告理由として認められない。
問題の所在(論点)
原審(控訴審)で主張しなかった「会社の目的の範囲外の行為である」という主張を、上告審において新たに行うことができるか(上告理由として認められるか)。
規範
上告審は事後審であり、原審において主張されず、審理の対象とならなかった新たな事実や主張を基礎として原判決の当否を判断することはできない。
重要事実
上告人である会社が、相手方との間で行った売買契約について、当該行為が自社の目的の範囲外の行為であり無効である旨を主張して上告した。しかし、この「目的外の行為」であるという点については、第一審および控訴審(原審)の段階では一切主張されていなかった。
あてはめ
本件において、上告人は売買契約が会社の目的の範囲外であると主張するが、判決文によれば、この事由は原審において何ら主張されていない。上告審の性質上、原審で争点とならなかった新たな主張は「法令の解釈に関する重要な主張」等には該当せず、適法な上告理由を構成しないと判断される。
結論
本件売買が目的の範囲外であるとの主張は採用できず、上告は棄却される。
実務上の射程
民事訴訟法における上告制限および事後審の原則を確認するものである。実務上、会社法上の目的外行為(民法34条、会社法旧規定等に関連)を争う場合であっても、事実審である口頭弁論終結時までに主張・立証を尽くす必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和26(オ)742 / 裁判年月日: 昭和28年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原判決の認定に副わない事実を前提とする非難、または原審の専権に属する証拠の取捨判断の非難に帰する場合、それは適法な上告理由とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決が認定した事実関係に異議を唱え、かつ原審が行った証拠の取捨選択および判断を不当として、上告を提起した(事案の具体的な…
事件番号: 昭和31(オ)967 / 裁判年月日: 昭和32年10月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原審の適法な事実認定を争うにすぎない場合、原判決に影響を及ぼす明らかな法令の違背があるとは認められないため、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人らが原審による事実認定の不当を主張して上告を提起したが、その主張は原審の適法な事実認定を争うにとどまるものであった。 第2 問題の所在(…
事件番号: 昭和28(オ)633 / 裁判年月日: 昭和28年10月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が更正決定によるべき事項や事実認定の非難にすぎず、法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の不服を申し立てて上告したが、その主張内容は更正決定によって解決されるべき事項、または原審の事実認定を非難するものであった。 第2 問題の所在…