判旨
控訴審においても、旧民事訴訟法232条(現行143条)等の規定に基づき、請求又は請求の原因の変更をすることが許容される。
問題の所在(論点)
控訴審において、訴えの変更(請求又は請求の原因の変更)を行うことが許されるか。旧民事訴訟法378条(現行297条)による旧232条(現行143条)の準用の可否が問題となる。
規範
控訴審は、第一審の続審としての性質を有することから、民事訴訟法上の請求の変更(現行143条、旧232条)に関する規定が準用され、特段の事情がない限り控訴審においても請求又は請求の原因を変更することが認められる。
重要事実
上告人は、控訴審においてなされた請求原因の変更を許容した原判決に対し、理由不備又は齟齬があるとして上告を申し立てた。具体的な請求の内容や事案の詳細は、判決文からは不明である。
あてはめ
判決文は、控訴審における請求原因の変更について、旧民事訴訟法378条(控訴審における第一審手続の規定の準用)及び同232条(請求の変更)の規定に照らし、これを肯定した原審の判断を正当として是認した。これにより、審級の利益を不当に害する場合等を除き、手続上の許容性が認められると判断された。
結論
控訴審における請求の原因の変更は許容されるため、原判決の判断に違法はない。
実務上の射程
本判決は、控訴審が続審制をとっていることを前提に、訴えの変更が控訴審でも可能であることを確認したものである。実務上、控訴審での攻撃防御の展開に伴う請求の拡張や原因の変更は本判決等の先例に基づき広く認められるが、相手方の審級の利益(同意の要否)や訴訟遅延の有無には留意が必要である。
事件番号: 昭和38(オ)435 / 裁判年月日: 昭和39年5月29日 / 結論: 棄却
一 控訴審における請求の拡張は、請求の基礎に変更がない場合は勿論、たとえ請求の基礎に変更があつても、相手方が異議なく応訴した場合は許されるべきである。 二 請求の拡張についての書面の提出または送達の欠缺は、責問権の喪失によつて治癒される。
事件番号: 昭和28(オ)748 / 裁判年月日: 昭和30年5月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審における訴えの変更(請求原因の追加)が認められるためには、従前の請求とその基礎を同じくし、かつ、著しく訴訟手続を遅延させないことが必要である。 第1 事案の概要:上告人らが相手方に対して提起した訴訟において、控訴審段階で請求原因の追加が行われた。原審は、この追加が従前の請求とその基礎が同じで…
事件番号: 昭和39(オ)573 / 裁判年月日: 昭和40年12月2日 / 結論: 棄却
訴の変更があつた場合においては、従前の訴訟資料はそのまま引きつがれると解するのが相当である。
事件番号: 昭和27(オ)163 / 裁判年月日: 昭和29年5月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】第一審で追加された請求が、元の請求と請求原因を全く異にし、かつ元の請求の当否を判断する先決関係にもない場合、それは訴の変更に該当する。その変更が訴訟手続を遅延させると認められるときは、裁判所はこれを許容しないことができる。 第1 事案の概要:上告人は第一審において、対象土地の所有権確認および移転登…