判旨
解除権の行使が権利の濫用に当たるか否かは、認定された事実関係の下で個別具体的に判断されるべきであり、本件においては権利濫用とは認められない。
問題の所在(論点)
契約上の解除権の行使が、民法1条3項(または信義則)に基づき「権利の濫用」として制限されるか。特にどのような場合に濫用と判断されるべきかが問題となる。
規範
契約解除権の行使についても、民法1条3項の権利濫用の禁止の原則が適用される。その判断にあたっては、当該解除権行使に至る経緯、解除によって当事者が受ける不利益、及び契約の目的等の諸般の事情を総合的に考慮して決すべきである。
重要事実
上告人は、原判決が認定した事実関係に基づき、相手方の解除権の行使が権利の濫用に当たると主張して上告した。しかし、判決文からは解除の原因となった具体的な契約違反の内容や、当事者間の具体的な利害関係の詳細については不明である。
あてはめ
最高裁は、原審の認定した事実関係を前提とする限り、相手方による解除権の行使は権利の濫用には当たらないと判断した。具体的なあてはめの詳細は判決文からは不明であるが、原判決の判断に法令解釈の誤りがないことを確認している。
結論
本件における解除権の行使は権利の濫用には当たらず、有効である。
実務上の射程
解除権行使の有効性が争われる場面で、実質的な不当性を主張する際の論拠となる。形式的に解除要件を満たしていても、背信的と評価される特段の事情がある場合には、権利濫用による制限が検討されるべきであることを示唆している。
事件番号: 昭和27(オ)751 / 裁判年月日: 昭和29年2月12日 / 結論: 棄却
いわゆる事情の変更により契約当事者に契約解除権を認めるがためには、事情の変更が、信義衡平上当事者を該契約によつて拘束することが著しく不当と認められる場合であることを要し、右の事情の変更は客観的に観察されなければならない。
事件番号: 昭和28(オ)72 / 裁判年月日: 昭和29年12月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】権利濫用の成否について、原審が認定した事実に基づき、権利の濫用を認めるべきでないとした原判決の判断を正当として維持したものである。 第1 事案の概要:上告人は、相手方の行為が権利濫用に該当すると主張して上告したが、具体的な事案の内容や原因となった紛争の詳細は本判決文からは不明である。原審(二審)は…