判旨
借地借家法(旧借家法)における賃貸人からの解約申入れが認められるためには、正当事由の存在が必要である。本判決は、原審が認定した事実関係に基づき、昭和21年12月に行われた解約申入れに正当事由があると判断した原審の結論を維持した。
問題の所在(論点)
借家契約の解約申入れにおいて、旧借家法1条の2(現行借地借家法28条参照)にいう「正当の事由」があると認められるための判断基準およびその妥当性。
規範
賃貸人による建物の解約申入れが有効となるためには、賃貸人および賃借人が建物を必要とする事情、その他諸般の事情を総合考慮し、解約を認めることが信義誠実の原則に照らし正当と認められる「正当事由」を要する(旧借家法1条の2参照)。
重要事実
被上告人(賃貸人)は、昭和21年12月、上告人(賃借人)に対し、本件建物の賃貸借契約について解約の申入れを行った。上告人は、当該解約申入れには正当事由がないと主張して争ったが、原審は事実関係を詳細に検討した上で、正当事由の存在を肯定した。
あてはめ
最高裁判所は、原審が認定した具体的な事実関係、すなわち賃貸人が自ら使用する必要性や賃借人の状況等を踏まえた判断を正当であると認めた。具体的な個別事実は本判決文からは不明であるが、原審の事実認定およびその評価に基づく正当事由の判断に、憲法違反や違法な点は認められないと判断した。
結論
被上告人による本件解約申入れには正当事由がある。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
正当事由の有無は事実認定の問題であり、原審の判断に論理的飛躍や経験則違反がない限り、上告審がこれを維持することを示す典型例である。答案上は、借地借家法28条の判断枠組み(建物利用の必要性、立退料の提供等)を提示した上で、具体的情報の当てはめを行う際の準拠となる。
事件番号: 昭和26(オ)760 / 裁判年月日: 昭和28年10月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】借家法1条の2(現借地借家法28条)に基づく解約申入れの正当事由は、当事者双方の事情を比較考量して判断すべきであり、その判断が妥当である限り、憲法上の財産権の侵害には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、建物賃貸人(上告人)が賃借人に対し、借家法(当時)1条の2に基づき建物の解約申入れを行った事…