判旨
借地法2条、7条の規定に反し、借地権者に不利な特約は、同法11条により無効(定めないものとみなす)とされる。
問題の所在(論点)
借地法2条(借地権の存続期間)や7条(建物滅失による解約申入れ等)の規定に反し、借地権者に不利となる特約が、同法11条(強行規定)により無効となるか。
規範
借地法(旧法)2条および7条の規定に反する契約条件であって、借地権者に不利なものは、同法11条(強行規定)により、これを定めないものとして取り扱わなければならない。
重要事実
上告人(賃貸人)と被上告人(賃借人)との間で締結された本件土地の賃貸借契約において、一定の特約(具体的な内容は判決文からは不明)が付された。被上告人は賃借権の存在確認等を求めて提訴したが、当該特約が借地法上の存続期間(2条)や建物取壊しによる契約消滅(7条)等の規定に抵触し、借地権者に不利であるかが争点となった。
あてはめ
原審が認定した本件特約は、借地法2条および7条の規定に反する契約条件である。本件特約は借地権者に不利なものであると認められるため、強行規定である借地法11条が適用される。したがって、当該特約は最初から定めがなかったものとして法的に取り扱うべきであり、特約の有効性を前提とする上告人の主張は採用できない。
結論
借地権者に不利な特約は借地法11条により無効であり、本件賃貸借契約には当該特約の制限を受けない賃借権が存在する。
実務上の射程
旧借地法下の判例であるが、現行の借地借家法9条(および16条・21条等)の強行規定性の解釈においても同様の理論が適用される。借地権者に不利な特約が公序良俗違反(民法90条)を待たずして法律上当然に無効となることを示す際の根拠となる。
事件番号: 昭和26(オ)441 / 裁判年月日: 昭和28年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】賃借権を承認しないことが、信義誠実の原則に反し、または権利の濫用となると解されるべきでない場合には、当該賃借権の主張は認められない。 第1 事案の概要:本件において、上告人は被上告人に対し賃借権の存在を主張したが、被上告人がこれを承認しなかった。上告人は、被上告人が賃借権を承認しないことが信義則違…