判旨
控訴期間の起算点となる判決正本の送達日は、郵便送達報告書や郵便局長の回答書等の客観的資料に基づき認定されるべきであり、送達日から2週間を経過した控訴は不適法として却下される。
問題の所在(論点)
控訴期間の遵守(民事訴訟法285条)の有無を判断するにあたり、送達日の認定をどのように行うべきか。また、主張する送達日と客観的な送達記録が食い違う場合の帰結が問題となる。
規範
判決正本の送達は控訴期間(民事訴訟法285条)の起算点となる。送達の事実は、特段の事情がない限り、郵便送達報告書等の公文書の記載に基づき確定される。
重要事実
上告人は、第一審判決正本の送達を昭和28年6月7日に受けたと主張し、同月20日に控訴を提起した。しかし、記録上の郵便送達報告書および福岡郵便局長の回答書には、送達日は同年6月4日である旨が記載されていた。
あてはめ
本件において、上告人は6月7日の受領を主張するが、郵便送達報告書および郵便局長の回答書という客観性の高い証拠によれば、送達日は6月4日であると認められる。この場合、控訴期間の末日は6月18日となるため、6月20日の控訴提起は期間経過後に行われたものといえる。
結論
本件控訴は期間経過後の不適法なものであるため、これを却下した原判決に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
送達の有無や日付に関する事実認定のあり方を示す。実務上、郵便送達報告書の証明力は極めて強く、これを覆すには特段の事情の立証が必要となる。答案上は、不適法な控訴の却下(民訴法290条)の前提となる期間計算の論理として参照される。
事件番号: 昭和28(オ)777 / 裁判年月日: 昭和30年10月28日 / 結論: 棄却
裁判所と弁護士会との申合せに基き、訴訟代理人たる弁護士に対する判決正本の送達が、裁判所書記官の命をうけた雇員より、裁判所構内弁護士控室に常勤する弁護士会の事務員に対して交付され、同事務員を通じて当該弁護士がこれを受領し、同封された送達報告書に弁護士が書類受領者としての捺印を施して裁判所に返送する方法によりなされた場合に…