判旨
不動産の所有権の消極的確認の訴えが提起された場合、その目的物は本件仮処分の目的物である不動産と同一であり、当該訴訟の性質は所有権の存否を争うものとして明確に認められる。
問題の所在(論点)
本件訴訟が、仮処分の目的物である不動産の所有権に関する「消極的確認の訴え」としての性質を有するか、およびそれが「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」にいう法令解釈の重要事項に該当するか。
規範
訴訟の目的物が仮処分の目的物である不動産と同一である場合、その訴訟が所有権の存否を争う「消極的確認の訴え」であるならば、当該訴訟の性質は客観的に確定される。
重要事実
本件は、ある不動産について仮処分がなされた状況下で、その目的物である不動産の所有権に関する消極的確認の訴えが提起された事案である。上告人は、特例法等に基づき法令の解釈に関する重要な主張を含むとして上告したが、原審までの判断が争点となった。
あてはめ
本件訴訟の内容を検討すると、本件仮処分の目的物である不動産そのものの所有権の消極的確認を求めるものである。このように、争いの対象が仮処分対象物と一致し、その権利の不存在を主張する形態をとっている以上、訴訟の性質は「消極的確認の訴え」であると一義的に明らかである。したがって、特段の法令解釈上の疑義を生じさせるものではない。
結論
本件訴訟は不動産の所有権の消極的確認の訴えである。本件上告は特例法のいずれの事由にも該当せず、法令解釈に関する重要な主張も含まないため、棄却される。
実務上の射程
消極的確認の訴えの対象が仮処分の目的物と重なる場合の訴訟性質の認定に関する事例判断。実務上は、訴訟物の特定において、先行する保全処分との関係性を確認する際の参考となるが、本判決自体は簡素なため、射程は個別事案の認定に留まる。
事件番号: 昭和26(オ)168 / 裁判年月日: 昭和26年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件上告は、民事上告事件の審判の特例等に関する法律が定める上告理由のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な事項を含むものとも認められないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した民事上告事件において、上告人は上告理由を主張したが、判決文からはその具体的な主張内容や基…